研究シーズ集

医療・健康・福祉

「美味しさ」デバイスの探索とその活用 ~高齢者や障害者への摂食アプローチをめざすために~

医学部 保健学科

「美味しさ」の検証チーム

医歯学系 教授・教授・講師・自然科学系教授

内山 美枝子・小山 諭・奥田 明子・飯島 淳彦 UCHIYAMA Mieko・KOYAMA Yu・OKUDA Akiko・IIJIMA Atsuhiko

関連URL:
http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~ucci-/index.html

専門分野 看護学、基礎看護学
キーワード 美味しさ、食行動、感覚相互作用、食品開発

研究の目的、概要、期待される効果

 人間が日常的に行う行為のなかでも、特に重要な要素が食である。何を食べるか、どのように食べるかということは一つの楽しみであり、文化になっています。私たちが日常生活で使う「味」とは、舌の上に分布している味覚細胞のみによってだけでなく、実際には味覚以外の数種の感覚刺激(嗅覚・視覚・聴覚・触覚等)を統合したものとして食品の味を認識しています。それゆえに検証が困難です。
 我々はこれまで「美味しさ」をどのように測定できるか、検討し検証を進めてきました。その結果、『「美味しい」と感じたときの瞳孔の縮尺に変動がある』『皮膚電気反応がある』(図1)『「美味しい」と感じた時に唾液内タンパク質の一種(S100A8)が特異的に分泌されている』(図2)という生体反応がみられました。これらを「美味しさ」デバイスとして発展させることができれば主観的評価が困難な対象(高齢者や障害者)への検証ができるのではないかと考えました。
『嚥下障害がある高齢者でも美味しいものを飲み込むときは「つるん」とのみこんでむせない』という経験談を看護師や介護士からよく聞きます。本研究が実証されることで「美味しさ」と嚥下の関係や「美味しさ」重視の介護職の開発に着手できるのではないかと考えました。

図1 風味および味刺激と自律神経系の反応

図2 嗜好の違いによる唾液内タンパクの分泌状態

   
関連する知的財産論文等

Yu Koyama a, Shalika Dewmi Premarathne, Thulasika Oppilamany, Ayaka Ohnuma, Akiko Okuda, Atsuhiko Iijima, Noriyasu Onoma, Mieko UchiyamaDifferences in subjective taste between Japanese and SriLankan students depending on food composition,nationality, and serum zinc, Clinical Nutrition Experimental , 22 , 1-9, 2018.

アピールポイント

 食の嗜好や満足感は、食べる意欲や飲み込み方に関係していると考えますが、検証の段階です。食品サンプル作成から共同研究いただける方、共同研究いただける業種の方大歓迎です。

つながりたい分野

 味覚や風味の研究や企業食品開発を推進している新潟県内の食品業者、医工学とその応用を食に活かすことを検討している分野との共同研究を期待します。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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