研究シーズ集

医療・健康・福祉

地域住民参加による加齢性疾患の予防医学研究 ~ 村上コホート調査:サケで元気プロジェクト ~

医学部

環境予防医学分野

医歯学系 教授

中村 和利 NAKAMURA, Kazutoshi

関連URL:
https://www.med.niigata-u.ac.jp/hyg/index.html

専門分野 予防医学、疫学、環境医学
キーワード 加齢性疾患(認知症、骨粗鬆症など)、予防医学、鮭、ビタミンD、村上・関川・粟島、地域住民、コホート調査

研究の目的、概要、期待される効果

 コホート調査とは、集団の特性を把握したうえで病気の発生を追跡し、様々な要因と病気の因果関係を探る調査です。私たちは地域住民14,364人を対象としてコホート調査を行いました1 。この調査は、認知症や骨粗鬆症などの加齢性疾患の予防を目的とし、健康寿命延伸を目指しています。
 2011~2012年に大がかりな健康・生活習慣調査、血液検体収集が行われました。健康状態、運動習慣、嗜好品の摂取、食品の摂取など、多岐にわたる項目を調査票により詳細に得ました。特に、食事・栄養に関しては、55の栄養素と182食品の摂取量を得ています2 。また血液検体を約6割の参加者より得ており、全検体の血中ビタミンD濃度を測定しました3 。ビタミンDは鮭(村上の特産品)に豊富に含まれているビタミンで、最近様々な病気の発生との関わりが注目されています。
 現在、追跡調査および疾患発生の追跡を行っています。具体的には、開始から5年おきに健康・生活習慣調査と血液検体収集を行っています。また、随時疾患発生のデータの収集を継続しています。ベースラインで得た情報とその後の疾患発生情報を組み合わせることで、様々な生活・環境要因と病気の因果関係を紐解くことが可能となり、ひいては病気の予防に繋がると確信しています。

   
関連する知的財産論文等

1Nakamura K, et al. Environ Health Prev Med 2018;23:28, https://www.med.niigata-u.ac.jp/hyg/murakami/index.html;

2Yokoyama Y, et al. J Epidemiol 2016;26:420-32;

3Nakamura K, et al. Bone 2015;74:10-7

アピールポイント

 寿命延伸を目指したがんや循環器病などの大規模研究は多くの研究者が行っていますが、健康寿命延伸を目指した加齢性疾患の総合研究は希少です。またビタミンD研究は唯一無二です。

つながりたい分野

・冷凍保存している血液検体を利用して生体バイオマーカーを測定することは可能です。
・現在得ている生活習慣情報を用いて、新たな視点で統計解析を行うことは可能です。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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