つながる研究

人文社会科学

企業の借入れと銀行との関係 ~ より良い関係の維持のために ~

経済科学部 経営学プログラム

稲村研究室

人文社会科学系 准教授

稲村 由美 INAMURA Yumi

関連URL:
https://researchmap.jp/read0144628/research_interests

専門分野 財務会計、実証会計学、エージェンシー理論
キーワード 銀行からの借入れ、融資条件(金利、財務制限条項 等)、経営者の利益調整

研究の目的、概要、期待される効果

 日本では、1990年代後半から複数の銀行が共同で企業に融資する「シンジケート・ローン」の利用が拡大傾向にあり、2018年の期末残高は79兆円にも上ります(右:図表1参照)。このような融資形態は、銀行にとっては貸付に伴う貸倒れリスクを減じることができ、企業にとっては融資を受けやすくなるという利点があります。
 シンジケート・ローンには、融資条件として財務制限条項が設定される傾向があります。財務制限条項は、企業が守るべき誓約であり、代表的なものとして、利益の一定以上の維持を要求する「利益維持条項」が挙げられます。 
 実証会計学の分野では、古くから財務制限条項は借手企業の経営者の利益調整と関連付けられ、研究されてきました。例えば、経営者は業績不振時に利益を上乗せする利益調整によって、財務制限条項への違反を回避するというのです。一方、貸手銀行も貸倒リスクの管理のために、そのような行動が採られないよう借手企業を注意深く監視(モニタリング)することが知られています(右:図表2 参照)。本研究では、企業と銀行の両方にとって良い借入・貸付条件、そして、より良い関係の維持に必要な取り組みなどを、実務に基づき調査・検討したいと思っています。

   
関連する知的財産論文等

稲村由美 (2019a)「財務制限条項と銀行のモニタリングに関する考察」『新潟大学経済論集』第107号, 57-84頁

稲村由美 (2019b)「財務制限条項に係るモニタリングと経営者の実体的裁量行動」『国民経済雑誌』第219巻第3 号, 1-16頁

アピールポイント

 借手企業と貸手銀行は、騙す・騙されるという敵対的な関係ではなく、情報共有を促進することで、より良い持続的な関係が築けるはずです。本研究がその一助になれば幸いです。

つながりたい分野

・貸倒リスクの管理に興味があり、また、企業 
 との良好な関係構築を目指す金融機関の皆様
・資金調達(借入)に興味のある企業の皆様
・企業への融資政策に興味のある自治体の皆様


お問い合わせは
新潟大学地域創生推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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