研究シーズ集

人文社会科学

新潟の弥生文化を掘る ~島崎川流域遺跡群の発掘調査~

研究統括機構 超域学術院

島崎川流域遺跡調査団

研究統括機構超域学術院 助教

森 貴教 MORI Takanori

専門分野 考古学
キーワード 考古学、弥生文化、稲作、鉄器、交流

研究の目的、概要、期待される効果

 新潟における米づくりと鉄の利用の始まり(石器から鉄器への移り変わり)について、弥生時代の集落遺跡の学術発掘調査・考古学的研究を通じて明らかにします。
 新潟県長岡市(旧和島村)の島崎川流域は、大武遺跡や姥ヶ入南遺跡をはじめ、県内で弥生時代の特筆される遺跡が密集する地域です。弥生時代の研究上の様々な課題について、居住・生産域と墓域の両面から総合的に検討するための絶好のフィールドといえます。
 私は新潟大学の教員・学生を中心に島崎川流域遺跡調査団を組織し、2019年度から発掘調査を実施しています。初年度に実施した上桐の神社裏遺跡第1次調査では、狭い調査面積ながら弥生時代中期後半(前1世紀頃)の土器が多く出土しました。地域的な由来の異なる土器が一地点から出土したことに特徴がみられ、当地域と周辺の諸地域(東北・北陸)との密接な交流関係が窺われます。
 今後の調査では、出土遺物に対する理化学的な分析や古環境・地質学的研究との融合研究を推進し、遺跡情報をさらに増やしたいと考えています。数カ年をかけて継続的に当地域の調査・研究を進めることにより、新潟の弥生文化像を大きく塗り替えるような発見が期待されます。

上桐の神社裏遺跡遠景(北西から南東の三島丘陵方面を望む)

上桐の神社裏遺跡第1次調査・主な出土遺物(禁転載)

   
関連する知的財産論文等

森 貴教 2019「長岡市姥ヶ入南遺跡出土鉄斧の再検討」『環日本海研究年報』第24号、新潟大学大学院現代社会文化研究科環日本海研究室、68-75頁。

森 貴教(編)2021『長岡市島崎川流域遺跡群の研究Ⅰ 上桐の神社裏遺跡―第1次・第2次発掘調査の報告―』(島崎川流域遺跡調査団報告第1集)、島崎川流域遺跡調査団。

アピールポイント

 考古学的研究の実践を通じて、学際的・グローバルな視野から新潟の弥生文化の特質について明らかにすることを目指します。

つながりたい分野

・地方自治体など(文化財保存・活用分野)
・他分野との共同研究
・様々な教育研究活動・文化振興の取り組み


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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