研究シーズ集

環境・エネルギー

下水汚泥からのリン回収および肥料化技術

工学部 化学システム工学プログラム

狩野研究室

自然科学系 准教授

狩野 直樹 KANO Naoki

関連URL:
http://www.eng.niigata-u.ac.jp/~chem/

専門分野 環境保全・修復、資源回収、環境動態解析、環境分析、分析化学、放射化学
キーワード 下水汚泥、リン回収、ヒドロキシアパタイト、液体肥料、植物水耕培養液

研究の目的、概要、期待される効果

 リンは、農業や工業など幅広い分野で利用されており、我々の生活に欠かせない元素です。しかし、近年、リン鉱石の枯渇が問題視されており、国内での長期的かつ安定的なリン資源の確保が課題となっています。そこで、利用可能なリン資源として注目されているのが下水汚泥灰です。下水汚泥灰からリンを回収し、再利用する技術の開発は、リン資源の確保および埋立地不足の解決の両面において有用です。
 本研究では、下水汚泥灰から酸溶出、アルカリ溶出を組み合わせた二段階溶出法によりリンをヒドロキシアパタイトCa5(PO4)3(OH)として回収した後、ヒドロキシアパタイトを塩酸および硫酸の2種類の酸に溶解し,他の必須元素についてはホークランド培地に基づいて添加することにより液体肥料(植物水耕培養液)を作製しました。この液体肥料を用いて、人工気象器内で作物(コマツナ)を育成した結果、既存の肥料と同等以上の生育効果を確認しました。速効性がよく、水耕栽培に効果的な液体肥料という点で、ハウス栽培や植物工場等への応用が期待できます。

   
関連する知的財産論文等

「下水道汚泥灰から高効率リン回収法の開発と重金属除去」 ケミカルエンジニヤリング60 (7), 522-527 (2015)

“Study on the Behavior and Removal of Cadmium and Zinc using Taraxacum officinale and Gazania under the Application of Biodegradable Chelating Agents” Appl. Sci. 2021, 11, 1557, 18 pages, doi:10.3390/app11041557

アピールポイント

 下水汚泥からの副産リンの新しい効果的な活用法に加え、植物に合わせた塩類を使って肥料を作製している点、速効性がよく、水耕栽培に効果的な液体肥料という点でハウス栽培、植物工場にも有効です。

つながりたい分野

・環境浄化、資源回収、リサイクルなどを行う企業、自治体、肥料販売・製造会社、営農者 (ハウス栽培、植物工場)


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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