研究シーズ集

医療・健康・福祉

高齢者における低栄養防止の新戦略 ~義歯指導に併せたテーラーメイド栄養指導法構築~

歯学部 口腔生命福祉学科

福祉学分野

医歯学系 准教授

米澤 大輔 YONEZAWA Daisuke

専門分野 公衆衛生、口腔保健教育
キーワード 低栄養、テーラーメイド栄養指導、介護食、BDHQ、咀嚼能力評価

研究の目的、概要、期待される効果

 低栄養は、筋力の低下により転倒や骨折を引き起こし、寝たきりに繋がることで、高齢者のADLの低下を招くことが知られています。低栄養状態の方の割合は、65歳以上では16.4%を占めています。低栄養を改善することで、医療費および介護給付費が、1,238億円削減できると内閣府経済財政諮問会議で試算されています(2018年)。
 低栄養の主な原因の1つに、歯の喪失による口腔機能低下(オーラルフレイル)が挙げられています。オーラルフレイルを阻止するためには、歯科補綴治療による咀嚼機能の回復が重要です。しかしながら、歯科補綴治療だけでは栄養素摂取量が改善しないとの報告が多数みられています。
 本研究では、全部床義歯または遊離端義歯新製時に行う義歯指導に併せて、管理栄養士による個別の栄養指導を実施し、栄養素摂取量に与える影響を検証するために無作為化臨床疫学研究を行います。フレイルサイクルを阻止し、正のスパイラルに向かうための方策として、義歯新製時に管理栄養士が行うテーラーメイドな栄養指導が高齢者の栄養素摂取量を増加させることが、低栄養防止の新戦略となるのではないかと考えています。

咀嚼能力測定用グミゼリー UHA味覚糖HPより

咀嚼能力段階に合わせた食事形態指導(例)

   
関連する知的財産論文等

Elevated antibody titers to Porphyromonas gingivalis as a possible predictor of ischemic vascular disease - results from the Tokamachi-Nakasato cohort study. Tabeta K, Yonezawa D, et al. J Atheroscler Thromb. 2011;18(9):808-17.

アピールポイント

 新潟大学医歯学総合病院では、医歯学の連携により、高齢者の問題となっている低栄養に対して、新しいアプローチでの改善策を検討していくことが可能となります。

つながりたい分野

・高齢者の低栄養に対するアプローチを検討している企業など(新しい介護食の開発etc)
・高齢者の健康寿命の延伸、介護予防地域支援事業の活性化を目指す地方自治体など


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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