医療・健康・福祉
医学部 保健学科
近藤 研究室
専門分野 | 医用画像情報学、放射線科学、画像工学、知能情報学、生体医工学 |
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キーワード | Computer-aided diagnosis (CAD)、先天性股関節脱臼、乳児健診、超音波検査、深層学習 |
乳児の先天性股関節脱臼は股関節形成不全(DDH)とも呼ばれ、新生児の0.16%〜2.85%で発生していると報告されています。日本では公的乳児健診がDDHの早期発見に大きな役割を担っていますが、近年、日本小児整形外科学会による大規模調査によって検診での見逃しを裏付けるデータが示されました。見逃しによる影響は大きく、当事者のQuality of Lifeを著しく低下させます。DDHの早期発見には視触診に加えて超音波検査の有用性が提唱されています。欧米では乳児健診時に股関節の超音波検査を義務づけている国もあります。日本においても一部の市町村では超音波検査による乳児股関節検診が実施されています。(例えば、新潟市では自己負担2,800円で受診可)。一方、乳児股関節の超音波検査はその再現性の乏しさも指摘されており、同一被検者あるいは同一検査者であっても検査結果にばらつきが生じることが報告されています。そこで、本研究室では、検査結果のばらつきや異常所見の見逃し率を低減させるために、乳児股関節に対するコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発を目指しています。そのために乳児股関節の超音波画像から股関節の状態(正常〜異常の程度)を自動的に評価・分類するCADアルゴリズムを開発します。
関連する知的財産論文等 | テクスチャ特徴を用いた超音波画像における乳児股関節の状態分類, 信学論 J101-D(1), 2018. 深層学習を用いた超音波画像における乳児股関節形成不全の自動評価に関する予備的検討, 医画情誌 34(2), 2017. 科研(C)「乳児股関節の超音波画像診断支援システムの開発」(課題番号16K09012) |
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病変の早期発見はどの疾患でもとても重要ですが、特に乳幼児のための早期発見・治療に貢献します。人工知能分野で脚光を浴びている深層学習を主要技術として研究開発を進めます。
・人工知能や画像診断の知識を活用して乳幼児健診の質的向上を目指す分野。乳幼児健診を主導する市町村や医療施設、およびCAD機器の開発に参入したい企業を期待します。