研究シーズ集

人文社会科学

冷戦と日本外交 ~日本の指導者たちは、冷戦に代わる国際秩序をどのように構想したのか~

法学部/経済科学部 学際日本学プログラム

神田豊隆研究室

人文社会科学系 教授

神田 豊隆 KANDA, Yutaka

専門分野 日本政治史、日本外交史、国際関係史
キーワード 冷戦、国際秩序観、日中関係、日ソ関係、吉田茂、環日本海協力、日本社会党

研究の目的、概要、期待される効果

 第二次世界大戦後、特に冷戦時代の日本外交の歴史を研究しています。
 まず、中国・ソ連に対する日本の外交について研究してきました。ここでは、日中・日ソの二国間関係がどのように展開してきたかという事実の解明ももちろんですが、そうした解明を通じて、日本の指導者(例えば吉田茂、岸信介)たちが東アジア国際秩序の望ましいあり方についてどのようなビジョンを持っていたのか、ということを明らかにしてきました。グローバルな冷戦の緊張緩和の波に東アジアも合流していくべきか、あるいはアジアは独自の秩序の姿を模索していくべきか、といった展望の相違が、同じ保守勢力(自民党)の指導者の間にも存在していたのです。
 このテーマに関連して、日ソの通商貿易関係や、かつて新潟でも盛り上がった「環日本海協力構想」にも関心を持ってきました。特に後者は、新大での長年の成果も生かして、古代からの長期の視点でこの地域の交流の特質を考えています。
 近年は保守勢力よりも革新勢力の外交論、例えば冷戦下で日本社会党も構築に加わった反共社会主義勢力の国際ネットワークの解明や、いわゆる「歴史問題」に関連して、日本社会党の戦後和解政策の研究も進めています。

拙著[2012年](左)と、その英語版[2020年](右)

近年加わったプロジェクトの成果の一部

   
関連する知的財産論文等

神田豊隆『冷戦構造の変容と日本の対中外交――二つの秩序観1960-1972』(岩波書店、2012年)

Yutaka Kanda, Translated by Yoneyuki Sugita, Japan’s Cold War Policy and China: Two Perceptions of Order, 1960-1972 (Abingdon: Routledge, 2020)

アピールポイント

 あくまで歴史研究として取り組んでいますが、「過去に我々はどのような国際的展望を持ってきたのか」を深く知ることは、今日の日本外交論にとっても重要な教訓となるはずです。

つながりたい分野

 特に、上記「環日本海協力」に関して、ここ数十年の新潟における人文・社会科学と自然科学における成果は数多く、新大の「地の利」を生かして、それらを吸収したいと思っています。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
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onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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