研究シーズ集

環境・エネルギー

大地のなりたちと石油・天然ガス資源 ~ シェールガス開発は新潟で可能か/脱炭素とは何か ~

理学部 地質科学プログラム

堆積・石油地質学研究室

自然科学系 准教授

栗田 裕司 KURITA Hiroshi

関連URL:
http://geo.sc.niigata-u.ac.jp/

専門分野 地質学、古生物学、堆積学、石油地質学、渦鞭毛藻化石、古環境推定、地質年代推定(微化石生層序)
キーワード 地史、地質構造発達史、石油・天然ガス、石油根源岩、炭素サイクル、自然科学アウトリーチ、社会人研修

研究の目的、概要、期待される効果

 日本国内には新潟県・秋田県を中心に、20世紀初頭からいくつもの油田・ガス田が開発されましたが、その多くは現状で枯渇段階にあります。一方で2000年代後半以降、世界の石油・天然ガスの産出事情は,アメリカ国内で進展した「タイト貯留層」(低浸透性の石油・天然ガス賦存層)の開発技術の確立で、一変しました。一般にはシェールガス・シェールオイルと呼ばれるものです。この動きを受けて、国内では秋田県で実際の生産に直結する技術的試験が行われています。
 私は、地殻を構成する地層の形成過程とその背景の研究をしており、近年は、石油・天然ガスに転換しうる有機物を多く含む岩石「石油根源岩」の分布と形成要因をテーマとした探求を続けています。対象地域は主に新潟県下越地域から山形県にかけてです。この研究が進展すれば、新潟県下でのシェールガス・シェールオイルの開発可能性に関する経済性検討の基礎資料が得られます。その背景にある、私たちが生活する足元の大地の数億年~数千万年という時間スケールでの変転、それが資源開発・地震や水害、脱炭素の社会の流れなどにどう関係しているのか、などの面白さを、広く発信していきたいと思います。社内研修・出前講義などお気軽にお声がけください。

石油・天然ガスに転換しうる有機物を多く含む岩石(阿賀野市)

下越~山形県の内陸地域で,約1,500万年前に地層中に有機物濃集があった場所(朱色の部分):栗田(2018)より

   
関連する知的財産論文等

栗田裕司,2018, 新潟県下越~山形県域の中新世地質:露頭からベースンへ. 石油技術協会誌, 83, 239-245.

大塚 悟・卜部厚志・栗田裕司, 2020, 冬期の地下水利用による六日町盆地の広域地盤沈下の考察. 応用地質, 61, 38-49.

アピールポイント

 地質学は、資源や災害の背景にある地球の歴史を、なにげない岩石から解明する、生活に密着したおもしろい分野です。成果を広く周知し、関心を持っていただくことも目指しています。

つながりたい分野

・石油・天然ガス資源の探査・開発
・地盤の構成要素の記述・解釈
・地質・地盤に関係する社会人の教育・研修
・普及講演、出前授業、市民講座等


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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