医療・健康・福祉
医学部 保健学科
生体分子研究室
医歯学系 助教・医歯学系 准教授
大澤 まみ ・松田 康伸 OSAWA Mami・MATSUDA Yasunobu
関連URL:
https://www.clg.niigata-u.ac.jp/introduction/inspection_prof.html?prof_code=PRF0053
専門分野 | 臨床検査学、分子生物学、データ解析学、消化器内科学 |
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キーワード | 分子標的薬、がん治療、臨床検査学、データ解析学 |
近年、がん治療を取り巻く臨床現場は大きく様変わりしており、ゲノムレベルの治療が可能になりつつあります。肝がんの場合は、10数年のうちで数種類の新規治療薬の開発がおこなわれました。しかしながら、現在の遺伝子検査および分子標的薬の発展は、奏効率・医療費が釣り合わない現実を引き起こしております。
安価かつ容易に、各々のがん患者に適した薬剤の選択・効果予測を行える評価システムを構築することは、高齢化社会の重要課題です。
私たちは、肝がんの分子標的薬(例:ソラフェニブ)の耐性機構の研究を通じて、癌治療薬と既存の臨床薬(例:てんかん薬)の併用が、薬剤の効果を著明に改善すること(図1)や、臨床検査項目のひとつであるウロキナーゼ型プラスミノーゲン・アクチベーター (uPA)が、薬剤耐性の標的因子である可能性を見いだしました(図2)。
現在では、ソラフェニブ以外の新規治療薬に対して、有効な併用治療の薬剤候補や臨床測定項目の可能性を探索してます。
今後もがん治療薬の効果向上を目指し、既存の医薬や臨床検査の活用は、重要な研究分野です。私たちは、地域の医療機関・自治体と連携を深め、地域のがん患者に役立ちたいと考えています。
関連する知的財産論文等 | Matsuda Y, Wakai T, Kubota M, Osawa M, et al. Int J Clin Exp Pathol. 2014: 7:1299-1313 Osawa M, Matsuda Y, Kinoshita Y, Wakai T. Anticancer Res. 2021: 41:645-660 Osawa M, Matsuda Y, Sakata J, Wakai T. Anticancer Res. 2022: 42:745-757 |
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がんの薬剤耐性機構における基礎的研究の実績を基にして、本プロジェクトを展開し、がん治療効果の改善のみならずがん患者のヘルスケアへの貢献が期待されます。
・情報工学、地域医療機関、がん患者のヘルスケアのプラットフォーム作りに関わる企業、自治体など