研究シーズ集

医療・健康・福祉

脳小血管病の病態メカニズムの解明 ~ 脳小血管の線維化とその制御法の開発 ~

脳研究所

脳神経内科学分野・分子神経疾患資源解析学分野

脳研究所 准教授・脳研究所 教授

加藤 泰介 ・小野寺 理 KATO Taisuke・ONODERA Osamu

関連URL:
https://www.bri.niigata-u.ac.jp/field/neurology/index.html

専門分野 神経内科学、遺伝学、分子生物学、脳病態モデル解析
キーワード 脳小血管病、認知症、治療法開発、細胞外マトリクス

研究の目的、概要、期待される効果

 脳血管の機能障害によって発症する病気を、脳小血管病と呼びます。脳小血管病の理解は遅れており、これまで多くが見逃されてきました。ですが実は、脳小血管病はアルツハイマー病と共に認知症の大きな原因の一つで、アルツハイマー病の進行とも深く関与しています。
 我々は、HTRA1と呼ばれる遺伝子の変異によって発症する脳小血管病のモデルマウス(HTRA1-/-マウス)を用いた研究から、脳小血管病の原因には、脳血管へのマトリソームと呼ばれるタンパク質群の蓄積が深く関与していることを発見しました。マトリソームは、細胞を支えるクッションのような構造物ですが、過剰な蓄積は臓器の硬化を引き起こし、結果として正常な機能を障害します。また、カンデサルタンという薬を、モデルマウスに飲ませることによって、このマトリソームタンパク質の蓄積が低下し、モデルマウスに見られる脳小血管の機能障害を防ぐことができることを発見しました。
  「健やかに老いる」をテーマとし、脳小血管病のより詳細なメカニズムと、より有効な治療法を開発することによって、社会に貢献していきます。

   
関連する知的財産論文等

・Candesartan prevents arteriopathy progression in cerebral autosomal recessive arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy model. Kato et al., J Clin Invest.;131(22):e140555..

・Hara et al., Association of HTRA1 mutations and familial ischemic cerebral small-vessel disease. N Engl J Med. 2009; 360(17):1729-39.

・特願2020-084683 (2020-05-13 出願)

アピールポイント

 マウス脳小血管の病理・生化学・機能解析とこれらの解析を通した薬剤のスクリーニングが可能です。

つながりたい分野

・脳小血管障害の治療法の開発に興味のある企業、自治体、研究室等
・医薬品関連企業


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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