研究シーズ集

医療・健康・福祉

肺臓器移植を目指した多能性幹細胞と胚盤胞補完法を用いた肺臓器の創出

医学部

腫瘍内科学分野

医歯学系 教授・医歯学系 助教

西條 康夫・周 啓亮 SAIJO Yasuo・ZHOU Qiliang

関連URL:
https://www.med.niigata-u.ac.jp/onc/

専門分野 再生医療、多能性幹細胞研究、腫瘍内科学
キーワード 肺再生、胚盤胞補完法、多能性幹細胞、キメラ、Fgf10

研究の目的、概要、期待される効果

 私たちは、異種間胚盤胞補完法を用いて、ヒトへの移植を前提とした異種間肺臓器作出技術の確立を目指しています。
 我々は、肺臓器を欠損するFgf10ノックアウトマウスの胚盤胞にGFP発現マウスES細胞を移入し、マウスの生体内においてGFP陽性ES細胞由来する肺臓器の作出に成功しています。その方法を発展させ、異種間の設定でラットES細胞を肺欠損マウスの胚盤胞に移入することにより、マウス生体内にラット由来の肺臓器作出を目指します。更にマウスを成長させ、異種間キメラにおける免疫反応の有無と移植に耐えうる成熟肺の作出が可能かを検討します。更にはヒトへの臨床応用を見据え、ゲノム編集法を用いて大型動物の肺臓器欠損モデルを作成し、異種間胚盤胞補完法を用いて非ヒト霊長類であるマーモセットのES細胞から大型動物における肺臓器創出技術の確立を目指しています。
 本研究が成功した場合、肺臓器再生における革新的な方法論を提案することができ、ヒトへの応用に向けてのヒトiPS/ES細胞を用いた究極的な肺臓器再生に大きなブレークスルーをもたらします。

   
関連する知的財産論文等

1. Kitahara et al., Generation of Lungs by Blastocyst Complementation in Apneumic Fgf10-Deficient Mice. Cell reports. 31(6):107626, 2020.

2. Ran et al., Generation of Thyroid Tissues From Embryonic Stem Cells via Blastocyst Complementation In Vivo. Front. Endocrinol., 2020 Dec 14;11:609697

アピールポイント

 in vitro で移植に耐えうる複雑な3次元構造を持つ肺臓器の再構築は極めて難しいと考えられています。我々は、胚盤胞補完法を用いて、in vivoでの肺臓器の作成に挑戦しています。

つながりたい分野

・気管/肺再生医療や研究、キメラマウスを用いた疾患モデル研究などに関心がある企業、製薬会社など。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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