医療・健康・福祉
医学部 保健学科
臨床化学研究室
保健学研究科 非常勤講師・医歯学系 教授
涌井 杏奈・佐藤 拓一 WAKUI Anna・SATO Takuichi
関連URL:
https://www.clg.niigata-u.ac.jp/introduction/inspection_prof.html?prof_code=PRF0045
専門分野 | 臨床化学、衛生学、細菌学 |
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キーワード | 手洗い、皮膚、スマートフォン、常在菌、エタノール消毒、不織布マスク、備蓄 |
新型コロナウイルスによる感染症の流行で、手指衛生やマスク着用による感染対策にこれまで以上に関心が向けられています。感染症の流行前と比べて、手指消毒やマスクを着用する頻度・機会は格段に増加しました。長期に渡る、日常的なマスク着用による、肌の健康や常在菌に与える影響も懸念されます。マスク以外では、スマホ画面への接触頻度が高く、スマホ画面の清拭・消毒を勧める記事・報道も見かけます。「清拭・消毒」はどの程度必要なのでしょうか。そこでスマホ画面および不織布マスクに付着・生息する微生物をサンプリングし、培養法および分子生物学的手法により解析を試みました。
スマホ画面および不織布マスクの両方とも、皮膚由来と考えられるCutibacteriumやStaphylococcusが優勢でした。Cutibac-teriumの割合は、不織布マスクで特に高い割合を示し、スマホ画面では、その他に口腔由来の細菌(Streptococcus, Actinomyces)も優勢菌として検出されました。
スマホ画面は、特別に清拭や消毒を施していないにもかかわらず、細菌量が数百個(約160個)程度と少なく、スマホ画面をいかに手指で触れたとしても、固い物体の表面は微生物が生息するにはあまり適していないのかもしれません。加えて、手指の皮膚常在細菌叢は皮膚表面を弱酸性に傾けることにより、諸々の感染から守っているとされることから、過度な、手洗いあるいは消毒には注意を払う必要があるのかもしれません。
一方、不織布マスクを半日程度、普段通りに着用するだけで、数万個レベル(約2万個)の細菌が付着・生息することが判明しました。
今後、本研究手法を用いて、各種メーカーから市販されている抗菌用製品(例;スマホ用抗菌フィルム、多機能マスクなど)の効果の再検証を目指せたらと考えています。
関連する知的財産論文等 | ◆Wakui A et al: Microbiological profiling of the surfaces of used-masks and smartphone-screens. The 70th Anniversary Meeting of the BSODR (London, UK) 2023.9.7 ◆涌井杏奈:使用済みマスクおよびスマートフォン画面に付着・生息する微生物のプロファイリング,2023-2024年度 科研費 若手研究 |
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コロナ禍で関心が高まっているスマホや使用済み不織布マスク表面上の微生物叢について、医学・保健学の最新の知見・検査技術を活用して解析し、スキンケアについて新たな提言を目指す研究です。
・衛生学
・自治体における災害用の備蓄