研究シーズ集

医療・健康・福祉

ウイルス糖鎖を標的とした免疫ネットワークの解明

医学部 保健学科

山本研究室

医歯学系 助教

山本 秀輝 YAMAMOTO Hideki

関連URL:
https://www.clg.niigata-u.ac.jp/introduction/inspection_prof.html?prof_code=PRF0058

専門分野 免疫学、生体防御学、感染症内科学
キーワード インフルエンザ、抗体応答、自然免疫

研究の目的、概要、期待される効果

 微生物が体内に侵入すると, 微生物構成成分を免疫細胞が認識し, 炎症反応を誘導することにより微生物を排除します. 感染症の病態理解においては, 樹状細胞などに発現する抗原認識受容体と微生物構成成分との相互作用, この作用をトリガーとする複雑な免疫機構を分子レベルで解明することが非常に重要です. 生体が認識する微生物構成成分としてタンパク質や核酸がよく知られていますが, 近年は真菌感染症領域を中心に微生物糖鎖が注目されています1, 2.
当研究室ではインフルエンザウイルスが含有する多糖類に焦点を当てた宿主免疫応答を解析しています. 微生物糖鎖を認識するC型レクチン受容体のうち, 高マンノース糖鎖を認識するDectin-2がインフルエンザウイルス主要抗原であるヘマグルチニン(HA)を認識し、炎症応答を開始させることを明らかにしました3, 4. Dectin-2は特にA/H3N2亜型(香港型)との強い相互作用を示し, 更にはHA特異的抗体応答への関与も示唆されています. 現在は一連の宿主免疫応答に関与する免疫細胞や産生因子の動態に着目した解析を進めています.
本研究はウイルス糖鎖に着目した新規インフルエンザ予防戦略を探るための第一歩であり, 新規ワクチンアジュバントの開発などに応用できる可能性を秘めています.

   
関連する知的財産論文等

1. Yamamoto H. et al., Infect. Immun. 82(4): 1606-15, 2014. doi: 10.1128/IAI.01089-13.

2. Sato K., Yamamoto H., et al., J. Immunol. 205(3): 686-98, 2020. doi: 10.4049/jimmunol.1901238.

3. Yamamoto H. et al., Biomed. Res.(Tokyo) 42(2): 53-66, 2021. doi: 10.2220/biomedres.42.53.

4. Yamamoto H. et al. Advances in Infectious Diseases 13(3): 478-497, 2023. doi: 10.4236/aid.2023.133039.

アピールポイント

 マウスを用いた肺炎モデル作成や細胞解析を始めとする動物実験を得意としています. また, 免疫学的手法を用いた細胞機能評価および分子生物学的解析を主に行っています.

つながりたい分野

・ウイルス学的解析を得意とする企業および研究者
・微生物由来の糖類やタンパク精製を得意とする企業および研究者


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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