研究シーズ集

人文社会科学

石器の元素分析から先史時代人類の行動を探る

人文学部 社会文化学プログラム

考古学研究室

人文社会科学系 助教

青木 要祐 AOKI Yosuke

専門分野 考古学
キーワード 考古学、岩石学、石材、黒曜石、蛍光X線分析装置

研究の目的、概要、期待される効果

 先史時代を中心に、石器には様々な石材が使用されてきました。本研究では、黒曜石で作られた遺跡出土石器と原石試料の元素組成を明らかにすることで、石器石材の原産地を推定し、人類の動きを探っています。
 黒曜石は、火山から噴出したマグマが冷え固まって生成される火山岩で、天然のガラスと言えます。マグマの噴出源ごとにわずかに元素組成が異なる性質を活かし、採取した原石と遺跡出土石器の元素分析によってその原産地を推定することができます。石器の石材原産地、すなわち由来を知ることで、当時の人類の行動範囲やルーツにも言及することが可能になります。
 近年行った分析では、新潟県津南町で出土した後期旧石器時代の石器が北海道産黒曜石で製作されていることが分かり、約2万~1万5千年前に北海道から南下した人類の動きをより鮮明に捉えることができました。
 今後も分析を進め、より通時的な石材・人類の動きを探っていきたいと思います。
 ただし、原産地が明らかでない黒曜石もあることから、山や川における黒曜石分布状況の踏査充実も課題の一つです。黒曜石の産出状況などについての情報提供もお待ちしております。

遺跡出土の黒曜石製石器

後期旧石器時代終末期の遺跡と利用された黒曜石原産地の例

   
関連する知的財産論文等

青木要祐・佐々木繁喜 2021 「津南町上原E遺跡出土黒曜石製石器の原産地分析」『苗場山麓ジオパーク研究集録』3 pp.50-62

青木要祐・佐々木繁喜 2021 「宮城県薬莱山No.34遺跡出土黒曜石製石器の原産地分析」『文化財科学』89 pp.91-107

アピールポイント

 考古学と岩石学の学際研究により、先史時代人類がどのような生活を送っていたのか、明らかにしていきます。

つながりたい分野

・地方自治体や博物館など
・岩石学/地学など他分野との連携
・教育研究活動や地域振興の取り組み


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

トップへ戻る