医療・健康・福祉
医学部
呼吸器・感染症内科研究室
医歯学系 特任助教・医歯学系 教授
島 賢治郎・菊地 利明 SHIMA Kenjiro・KIKUCHI Toshiaki
専門分野 | 呼吸器内科学、感染症学 |
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キーワード | GM-CSF、肺非結核性抗酸菌症、肺胞蛋白症、急性呼吸窮迫症候群 |
GM-CSFは肺胞マクロファージ(MΦ)の分化・成熟に必須のサイトカインであり、GM-CSFシグナリングが障害されると肺サーファクタント恒常性が損なわれ、肺サーファクタントが肺胞に蓄積する肺胞蛋白症を発症します。
肺胞蛋白症の約9割はGM-CSF中和自己抗体が産生されることによる自己免疫性肺胞蛋白症であり、これを対象としたGM-CSF吸入療法の有効性が報告され、薬事承認申請が進められています。
また、有効な治療法が確立されていない急性呼吸窮迫症候群や、標準的な治療法でも難治例が少なくない肺非結核性抗酸菌症に対するGM-CSF吸入療法の有効性も報告されていますが、確立したものではなく、そのメカニズムも不明です。
肺胞蛋白症マウスモデルにおいて、GM-CSFが炎症惹起性の間質性MΦから抗炎症性の肺胞MΦへの形質変化を誘導する可能性が示唆されており、我々は急性呼吸窮迫症候群および肺非結核性抗酸菌症マウスモデルにおけるGM-CSF吸入の影響を解析することによって有効性のメカニズムを解明したいと考えています。
同時に、肺非結核性抗酸菌症患者を対象として、GM-CSF吸入療法の有効性と安全性を評価することを目的とした医師主導治験を計画しています。
関連する知的財産論文等 | N Engl J Med 2019; 381:923-932 Nature 2014;514: 450 Eur Respir J 2018;51: 1702127 |
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内服や注射などの全身への投与ではなく、吸入という肺局所への投与により、局所的な効果の増強および全身性副作用の軽減が期待できます。他疾患や他の薬剤への応用も期待できます。
・より効率的で取り扱いも簡便な薬剤吸入デバイスの開発分野