研究シーズ集

農・食・バイオ

農作物に病気を起こすウイルスとたたかう ~ 昆虫媒介性病原体の生存戦略の解明 ~

農学部 生物資源科学プログラム

植物病理学研究室

自然科学系 准教授

湊 菜未 MINATO Nami

専門分野 植物保護科学、植物病理学、植物ウイルス学 / crop protection, plant pathology, plant virology
キーワード 昆虫媒介、植物ウイルス、 ムギ類、キャッサバ/ insect-borne virus, cereals, cassava

研究の目的、概要、期待される効果

 現在世界は8億人以上の飢餓人口を抱えています。私たちは食料問題の解決に貢献すべく、農作物生産量の約3割とも言われる病害虫によるフードロスの解消に着目し、植物病理学の分野で研究を行っています。植物ウイルスによるフードロスは約9300万トンにも上ると言われていますが、ウイルスは宿主植物の代謝系に大きく依存しているため農薬による防除が困難です。私たちは、コムギなどのムギ類に被害を与える昆虫伝染性のウイルス(図1)を対象に、植物とウイルス、そして媒介昆虫のように異なる生物がどのように関わりあって病気を起こすのか、どうやって病気を防ぐことができるかを研究しています。
 ウイルスが植物に病気を引き起こすメカニズムや媒介昆虫を植物に呼び寄せる仕組みを遺伝子レベルで明らかにすることにより、植物-病原体-媒介昆虫の関わりを包括的に捉え、昆虫伝染性ウイルス病に対する新たな防除法の構築に資することを目指しています(図2)。また圃場で簡便・迅速にウイルスに感染した作物を見つけるための検出系の開発を試みています。

   
関連する知的財産論文等

Nakamura D., Minato N. et al., Arch. Virol. in press (2024). (ウイルスの病原性進化について解析した)

Minato N. et al., Life 12(5): 644. (2022).(昆虫伝染性ウイルスによる媒介昆虫の行動変化について解析した)

Minato N. et al., PLoS ONE 14(2): e0212780. (2019).(昆虫伝染性ウイルス病の発生と拡散を調査した)

アピールポイント

 実験室と生産圃場の橋渡しとなるような研究を目指しています。私たちの技術を用いて地域農業の持続・活性化に貢献したいと考えています。

つながりたい分野

・新潟県および北陸地方のムギ類生産に携わる方
・作物における病気診断アプリ開発等に興味のある方


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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