研究シーズ集

医療・健康・福祉

顎顔面領域における一次繊毛の機能の解明 ~ 生前診断、生前治療へ繋げるには ~

歯学部

口腔解剖学分野

医歯学系 准教授

川﨑 真依子 KAWASAKI Maiko

関連URL:
https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~oralanatomy/

専門分野 口腔解剖学、発生生物学
キーワード 発生生物学、一次繊毛、生前治療、再生医療

研究の目的、概要、期待される効果

 一次繊毛は、細胞表面に生えた毛のように見える細胞小器官で、その見た目通り、細胞の外から様々な情報を受け取るアンテナとしての働きを持っています。主な機能としては、嗅覚、聴覚、視覚、メカノセンサー、シグナル伝達などが挙げられます。
 一次繊毛が機能不全に陥ると、「繊毛病」と呼ばれる全身で広範囲の疾病を引き起こすことが知られています。顎顔面領域では、歯数以上、口唇口蓋裂、舌の形態異常、頭蓋骨の形態異常などの多くの深刻な疾患がすでに報告されています。しかしながら、一次繊毛がどのような経路を経てこれらの疾患を発症させているのかは未だ明らかではありません。一次繊毛の機能解明は、生前診断・治療へ繋がり、さらには一次繊毛が関わる器官形成の再生治療への一助となり得ると期待しています。
 本研究では、一次繊毛構成タンパクを顎顔面領域で特異的に欠損させた遺伝子改変マウスを作成し、一次繊毛の機能不全が胎生期の顎顔面の発生過程に与える影響を検証しています。一次繊毛欠損マウスは、ヒトの繊毛病と類似した表現型を示しました。今後は、更なる解析を継続していきたいと考えています。

   
関連する知的財産論文等

・Takehisa Kudo, Maiko Kawasaki et al., Oral Dis. 2022 Feb 21.

・Atsushi Kitamura, Maiko Kawasaki et al., J Anat. 2020 Feb; 236(2):317-324.

・Momoko Watanabe, Maiko Kawasaki et al., Archives of oral biology 101 43-50 2019

アピールポイント

 一次繊毛の機能解明は、再生医療の確立、先天異常の原因解明、生前診断・生前治療への寄与などの臨床面ばかりでなく、進化のメカニズムを紐解くなどの生物学の発展にも繋がります。

つながりたい分野

・進化などの博物学を持つ自治体
・遺伝子治療・再生医療の確立に関わる業種
・先天異常に興味のある医療機関や業種


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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