研究シーズ集

医療・健康・福祉

近赤外線蛍光法を用いた動脈硬化質的診断法 ~ 血管内分子イメージング NIRF-OCT ~

医学部

循環器内科学分野

医歯学系 助教・医歯学系 教授

池上 龍太郎・猪又 孝元  IKEGAMI Ryutaro・INOMATA Takayuki

関連URL:
https://www.med.niigata-u.ac.jp/car/

専門分野 虚血性心疾患、心臓カテーテル治療(PCI)、冠動脈イメージング、動脈硬化の病態(基礎)
キーワード 冠動脈内イメージング、分子イメージング、近赤外線蛍光法、不安定プラーク

研究の目的、概要、期待される効果

 狭心症や心筋梗塞に対して行われる心臓カテーテル治療は、冠動脈の器質的狭窄・閉塞を解除する有効な治療法として広く普及してきました。一方で、動脈硬化病変の質的診断法は確立していないため、心筋梗塞の発症に至りそうな不安定プラークを同定し、予防的介入を行うことはできていません。
 ハーバード大学マサチューセッツ総合病院の研究室は、心臓カテーテルで使える血管内分子イメージングというコンセプトで、近赤外線蛍光法を用いたイメー ジングデバイスNIRF-OCTを開発し注目されています。動脈硬化の進展に重要な分子に結合する蛍光抗体を使い、血管内から蛍光シグナルを検出することで、標的分子の局在を可視化できます。炎症性プラークや壊死性コアの検出に有用なアプローチとなることが期待さ れています。さらに最近では、プラークの不安定化に伴い発生する自家蛍光を検出することができるようになり、臨床応用への準備が本格的に進められています。

 私たちは、NIRF-OCTの開発チームとの共同研究により、プラーク不安定化の病態を解明し、鍵となる分子を標的とした蛍光抗体の開発を目指して、研究に取り組んでいます。今後、NIRF-OCTデバイスの臨床応用が実現すれば、様々な分子を標的とした経カテーテル的分子イメージングが可能となり、質的診断に基づいたカテーテル・動脈硬化治療が可能になることが期待されます。

   
関連する知的財産論文等

Albaghdadi MS, Ikegami R et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2021 Jul; 41(7): e385-398 Ikegami R et al. Cell Reports. 2018; 24(11): 2827-2837

科研費研究活動スタート支援(R3-4年度)、アストラゼネカ病態代謝研究会研究助成(R3-4年度)

アピールポイント

 自分たちが開発に携わった新しい診断法・治療法を使って、目の前の患者さんの診療にあたる日が来ることを夢見て、トランスレーショナル研究に取り組んでいます。

つながりたい分野

 蛍光抗体開発や光学系デバイス開発について技術・知識のある研究室・企業とのつながりを求めています。また、プラーク内環境の細胞外小胞に興味を持っており、解析ノウハウをお持ちの研究室との連携を希望しています。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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