研究シーズ集

共通・他の領域

バイオマスを利用した吸音材料の研究 ~ 稲わら、もみ殻、そば殻などの利用 ~

工学部 機械システム工学プログラム

機械音響工学研究室

自然科学系 准教授

坂本 秀一  SAKAMOTO Shuichi

関連URL:
http://sakamoto.eng.niigata-u.ac.jp

専門分野 機械音響工学、騒音工学、音響工学
キーワード 吸音材料、農業副産物の利用、バイオマス材料

研究の目的、概要、期待される効果

 バイオマス材料を応用した吸音材料として、稲藁、もみ殻、そば殻、古紙に着目しました。バイオマスの再利用は炭素の固定にも繋がり、後に焼却処理されてもカーボンニュートラルです。例えば、もみ殻は約160万トン、そば殻は2~3万トンが年間排出されており、その一部は利活用されないまま焼却、廃棄されています。稲藁、もみ殻、そば殻は、その形状や寸法が吸音に適しています。稲藁はユニークな断面形状から優れた吸音特性を持ちます。また、もみ殻、そば殻は、フレーク状の形状と大きさが吸音に好適です。研究室主宰者は当初、実験によりそれらの優れた特性を明らかにしました。その後、理論的に稲藁の吸音率を解析し、計算でもその優れた特性を明らかにしました。昨今では、もみ殻、そば殻についてマイクロCTスキャンを行い、その断面画像から解析モデルを構築し、理論的に吸音率を導きました。それらの吸音率は実験結果ともよく一致しました。これらの知見は、これらの天然材料の他にも応用が可能であると考えられます。このような、天然素材の活用は、農業と建設業、工業などとの共存共栄をもたらし、将来的に持続可能な社会に貢献すると考えます。

   
関連する知的財産論文等

坂本ほか, (概略)稲藁・籾殻・そば殻の吸音率測定, 日本機械学会論文集, 2009年. https://doi.org/10.1299/kikaic.75.3223

坂本ほか, (概略)稲藁の斜入射吸音率, 日本機械学会論文集, 2017年. https://doi.org/10.1299/transjsme.16-00344

坂本ほか, (概略)稲藁の吸音の理論解析, アメリカ音響学会誌, 2018年. https://doi.org/10.1121/1.5063348

吸音・遮音材料の開発、評価と騒音低減技術, 3.4節, 95-107頁, 技術情報協会, 2018年. ISBN:978-4-86104-829-6

科学研究費, 研究成果報告書, 24560253 および 16K06151. https://kaken.nii.ac.jp/

アピールポイント

 天然素材のリユースは、リサイクルや純粋な工業製品と異なり、製品に至るまでの消費エネルギが小さく循環型・持続可能な社会に適していると考えられます。外観もアースカラーです。

つながりたい分野

・このような天然素材の防腐、防虫、難燃化技術を持ち、商品開発・製造に興味を持つ企業
・農業副産物の利用・回収・集積のノウハウを持つ農業法人・自治体


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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