研究シーズ集

ナノテクノロジー・材料

リチウムケイ酸塩のCO2吸収能と表面欠陥の関係解明にむけた蛍光による評価法の確立

工学部 化学システム工学プログラム

無機材料研究室

自然科学系 助教

渡邉 美寿貴 WATANABE Mizuki

専門分野 無機材料、セラミックス、低温合成、発光材料、CO2吸収材
キーワード セラミックス、CO2吸収材、気体吸着、発光特性、格子欠陥

研究の目的、概要、期待される効果

 二酸化炭素(CO2)削減のため、工場や発電所から排出される高温ガスからCO2を高選択的に分離・回収可能な固体CO2吸収材料が注目されています。そのなかでも、Li4SiO4をはじめとしたリチウムケイ酸塩は室温から700℃までの広い温度範囲でCO2と可逆的に反応する(右上図)優れた固体CO2吸収材料です。
 リチウムケイ酸塩のCO2吸収能を向上させるために重要なCO2吸着過程を調査することを目的としています。しかしながら、その効果的な評価法は確立していません。本研究は、吸着点の一つである、原子欠損などの「格子欠陥」とその欠陥に起因する「発光現象」を結び付け、CO2吸着にともなって変化する欠陥状態と発光特性の関係を調査することで、CO2の吸着状態を明らかにしようとする今までにない試みです。実際にCO2吸着によって発光が変化することを明らかにしています(右下図)。本研究が達成されれば、発光を介してCO2吸着にともなう表面欠陥の状態の変化を解明可能な新たな評価法の確立が期待できます。また、セラミックスは気体の吸着によってその発光特性を変える例はほとんどありませんが、CO2吸収材においては、CO2の吸着・吸収により変化する可能性があり、その応用も検討しています。

   
関連する知的財産論文等

Mizuki Watanabe et al., Journal of the Ceramic Society of Japan, 125(6) 472-475 (2017).

アピールポイント

 CO2や気体の吸収・吸着によって変化するセラミックスの発光を明らかにするために、望ましい測定が可能となる新たな装置設計と分析手法を考えるところから研究しています。

つながりたい分野

・CO2をはじめとした気体が固体へ吸着・吸収する現象の応用研究に興味のある個人や団体
・CO2インジケーターやセンサーに興味のある個人や団体


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
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onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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