研究シーズ集

人文社会科学

酒が栄養充足や食文化形成に対して果たす役割 ~ アフリカや南・東南アジアの農村に注目して ~

創生学部

食文化・地域研究学研究室

人文社会科学系 助教

砂野 唯 SUNANO Yui

関連URL:
https://create.niigata-u.ac.jp

専門分野 地域研究学、生態人類学、比較人類学、食文化、醸造学
キーワード 環境適応、栄養充足、嗜好性、発酵食品、生業多様性

研究の目的、概要、期待される効果

 生存や繁殖に必要な諸栄養が、安定して手に入る環境は稀です。人類は居住地域で手に入る食材を加工して栄養を満たし、さらには娯楽や嗜好、文化、社会、宗教的な要素を含む食文化を形成してきました。紀元前からの食品加工に発酵があります。発酵食品のなかでも、世界で広く摂取される嗜好品が酒で、世界各地では様々な地酒が造られています。食物を発酵させると、発酵に作用する酵母などの菌類の作用で、食の安全性や保存性、栄養価、風味が向上します。アルコール発酵食品である酒にも、発酵によるこれらの効果が確認されました。現在は、主に嗜好品とされる酒ですが、ある時代や地域において、酒は日常食や緊急の栄養補給源、保存食、薬とされてきました。
 私は、日常的に、あるいは期間限定的に諸栄養が不足している地域を訪れ、そこで栄養源とされる酒の科学成分や、酒が人々の健康状態や生業、環境利用、食習慣、食への嗜好へ与える影響について、調査しています。栄養源となる酒の特徴や利用方法を解明することで、飢餓や栄養不良、アルコールによる健康障害の解決に繋がる可能性があります。

   
関連する知的財産論文等

砂野唯 2019『酒を食べる―エチオピア・デラシャを事例として―』昭和堂。

砂野唯 2022「第2章 酒を主食にするネパールとエチオピアの人びとの暮らし」横山智(編)『世界の発酵食をフィールドワークする』農山漁村文化協会。

アピールポイント

 その現象が見られる地域に滞在して、聞き取りや参与観察などの人類学的手法と農学・栄養学的な分析によってデータを集めます。

つながりたい分野

・採取した検体の栄養分析や菌類同定、現地の方々の身体機能について関心があり、一緒に研究できる分野。国内外にフィールドをもつ方々。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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