研究シーズ集

医療・健康・福祉

口腔粘膜扁平上皮癌の客観的病理組織診断の均霑化への取り組み

歯学部

口腔病理学分野

医歯学総合病院 講師

丸山 智 MARUYAMA Satoshi

関連URL:
https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~opatho/index.html

専門分野 歯学、口腔病理学
キーワード 口腔粘膜扁平上皮癌、免疫組織化学、病理組織診、口腔細胞診

研究の目的、概要、期待される効果

 口腔粘膜に発生する扁平上皮癌は、前癌病変としての上皮性異形成の段階から上皮内癌、浸潤癌へと段階を経て発生・進展する、いわゆるシークエンシャルな病変であるという特徴があります(図1)。患者さんの手術方法の選択や予後を左右する点で、これらの病変を明確に区別していかなければなりません。そのため病変を診断する際には、病理組織学的に上皮性異形成を炎症に伴う異型上皮や反応性病変と区別し、口腔に特徴的な上皮内癌とすべき病変を正確に診断し、明確な浸潤の客観的評価をおこなう必要があります。

 私たちの研究室では、日常の診断において、口腔細胞診での検討に加えて、病理組織診断に免疫組織化学を導入し、さらにその意義を確認するための研究成果を科学的診断根拠とし、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色(通常の病理診断はHE染色をおこなった組織標本によって診断しています)の所見と合わせて病変を客観的に評価することを心がけています。これらの研究成果より、科学的診断根拠を背景とした普遍性・再現性の高い診断基準に基づいた適切な診断が可能になると考えており、診断精度の向上だけではなく、抗がん治療への進展にも寄与できることが期待できます。

   
関連する知的財産論文等

Maruyama S, et al. Diagn Cytopathol. 2023; 51(5): E170-5.

丸山 智:特集 口腔癌 update. 病理と臨床. 2022; 40(1): 36-40.

Maruyama S, et al. J Oral Pathol Med. 2014; 43(8):627-36.

アピールポイント

 歯科病理では年間約1300件の病理組織診及び細胞診診断業務を行っており、病理組織や細胞診検体を用いた多面的な解析アプローチが可能です。

つながりたい分野

 口腔細胞診や病理組織診断に関する事業に注視されている企業及び口腔がんの早期発見への取り組みに注力されている企業・自治体等。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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