研究シーズ集

医療・健康・福祉

細胞外マトリックスの定量プロテオーム解析

歯学部

生体歯科補綴学分野

医歯学系 准教授

加来 賢 KAKU Masaru

関連URL:
https://researchmap.jp/kakumasaru

専門分野 歯科補綴学、再生医療、細胞外マトリックス、コラーゲン,細胞制御,細胞追跡
キーワード 歯科補綴学、再生医療、細胞外マトリックス、コラーゲン、細胞制御,細胞追跡

研究の目的、概要、期待される効果

 細胞外マトリックス(ECM: Extracellular Matrix)は,組織の構造的枠組みを形づくる主たる成分であるだけでなく,細胞外微小環境として細胞の運命を決定する上でも重要な役割を果たしている.我々は細胞外環境としてのECMは組織再生に寄与する幹細胞分化において重要と考え,歯根膜や骨におけるECMの包括的組成解析を進めている.
しかしECMに多量に含まれるコラーゲンなどのタンパクは分子量が大きく,高度に架橋していることから,完全な可溶化は極めて困難であり,現状のECM定量解析は必ずしも信頼性の高いものとは言えない
そこで我々は,脱細胞処理,ペプチド開裂法による不溶性タンパクの可溶化,糖タンパクの切断などの前処理,ECMに特化したデータベース等を組み合わせることにより,質量分析装置を用いたECMのプロテオーム解析における網羅性と検出感度を大幅に向上させることに成功している.本研究方法は,歯周組織におけるECMの正確かつ包括的な組成情報を取得できるだけでなく,皮膚,骨,腱,靭帯,血管などのECMを豊富に含む結合組織や,線維の過形成を伴うあらゆる疾患の解析基盤としても有用であると考えている.

   
関連する知的財産論文等

Kaku M, Thant L et al. Sci Rep. 2024 14(1):354.

Arai M, Kaku M et al. Biochem Biophys Res Commun. 2023. 6;692:149364.

Thant L, Kaku M et al. Front Physiol. 2022. 20;13:899699.

Kaku M, Rocabado JMR et al. J Cell Physiol. 2016 Apr;231(4):926-33.

Kaku M, Yamauchi M. J Prosthodont Res. 2014. 58(4):193-207.

アピールポイント

・従来困難であった細胞外マトリックスのプロテオーム解析が可能です.

つながりたい分野

・細胞外マトリックスによる再生医療,病態解明
・細胞外マトリックスの形成能を評価基準とする新薬,健康食品の探索


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
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onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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