農・食・バイオ
農学部 生物資源科学プログラム
植物遺伝育種学研究室
専門分野 | 植物遺伝学、植物ゲノミクス、植物育種学 |
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キーワード | トランスポゾン(転移因子)、有性生殖、エピジェネティクス、種子、次世代シーケンシング(NGS) |
私たちは、主にマメ科植物やイネを研究材料とし、以下について研究を行っています。
1. 植物の有性生殖過程
マメ科作物やイネなど、種子を収穫物とする作物の多くは自殖性(自家受粉し種子をつける)ですが、近縁種には他殖性のものがあります。これらの制御機構を明らかにし、自殖性と他殖性を都合よく切り替えられるようにしたいと考え研究を行っています。
2. トランスポゾン(動くDNA配列)とゲノム動態
トランスポゾンはゲノムの中を移動するDNA配列であり、ゲノム内在の変異源と言える存在です。普段動かないトランスポゾンですが、交配がトランスポゾンが動くきっかけとなりうることを明らかにしました。この分子機構を明らかにすることで、交雑育種にトランスポゾン活性化をプログラムしたいと考えています。
3. エピジェネティクス
DNAの修飾やヒストンタンパク質の修飾パターンには、親から子に引き継がれるものがあり、これら塩基配列ではない遺伝情報をエピジェネティクスと呼びます。2で述べたトランスポゾン、1の有性生殖に関連し、植物におけるエピジェネティクス制御がどのように維持され、あるいは不全化するのかを解析しています。
4. ゲノム解析による有用遺伝子同定
次世代シーケンシング(NGS)データを用い、1塩基多型(SNPs)のような小規模配列多型解析に加え、転座や逆位のような比較的大きいゲノム構造多型の検出なども駆使しています。
関連する知的財産論文等 | Widespread and transgenerational retrotransposon activation in inter- and intraspecies recombinant inbred populations of Lotus japonicus (Plant J., 111(5):1397-1410. 2022) ミヤコグサ由来のレトロトランスポゾンLORE1を用いた変異体植物の作製方法(特開2010-130926) |
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植物の遺伝学とゲノミクスを駆使して、栽培植物の有用形質を制御する遺伝子の同定と、その有効利用に貢献したいと考えています。
・特定の栽培植物が持つ興味深い形質を育種利用したいと考えておられる、会社や研究所、自治体など。