研究シーズ集

医療・健康・福祉

矯正歯科治療における歯の移動を促進する薬の開発

歯学部

歯科薬理学分野

医歯学系 助教

柿原 嘉人 KAKIHARA Yoshito

関連URL:
http://www.dent.niigata-u.ac.jp/pharmacology/pharmacology.html

専門分野 薬理学、分子生物学、生化学、細胞生物学
キーワード 矯正歯科、骨代謝、薬剤スクリーニング

研究の目的、概要、期待される効果

 近年、矯正歯科治療を希望する患者数は増加傾向にあり、従来の若年者の治療希望者に加えて、成人の治療希望者数の増加が顕著になってきています。しかしながら、成人患者は、若年患者と比較して歯の移動が遅く、治療が長期化する傾向にあります。それによって口腔衛生環境の低下を招き、虫歯や歯周病、歯根吸収などの二次的な問題を引き起こす可能性が高まります。
 矯正歯科治療における歯の移動は、歯槽骨のリモデリングによって引き起こされます。移動歯の歯根膜の圧迫側では破骨細胞による骨吸収が、牽引側では骨芽細胞による骨添加が生じており、この活発な骨リモデリングを引き起こす薬剤が見出されれば、歯の移動速度の上昇及び効率的な歯の移動への臨床的応用が可能となります。
 そこで、当研究室では、破骨細胞と骨芽細胞の両方を活性化する薬剤スクリーニングと矯正的歯の移動の評価システムを構築してきました。
 本システムの応用によって、薬理学的なアプローチによる成人患者への新しい矯正歯科治療法の創出が期待されます。

破骨細胞と骨芽細胞による歯槽骨のリモデリング

破骨細胞と骨芽細胞の活性化薬剤スクリーニングシステム

   
関連する知的財産論文等

(1)The inhibitors of cyclin-dependent kinases and GSK-3β enhance osteoclastogenesis. Akiba Y, Mizuta A, Kakihara Y, Nakata J, Nihara J, Saito I, Egusa H, Saeki M. Biochem Biophys Rep. 2015 Dec 30;5:253-258.

(2)歯牙移動促進剤及び矯正歯科治療用キット(特願2018-012950)

アピールポイント

 歯槽骨リモデリングを含めた骨代謝全般に関わる活性化剤のスクリーニングとその評価可能です。

つながりたい分野

・様々な精製化合物を所有し、それらの骨代謝活性化機能に関心のある企業。
・すでに当研究室で単離された薬剤の矯正歯科治療への応用に関心のある企業。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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