研究シーズ集

農・食・バイオ

ロシア極東における高蛋白大豆の探索と大区画圃場に対応した高速深層施肥播種機の開発

農学部 流域環境学プログラム

生物生産機械学研究室

自然科学系 教授・自然科学系 特任助教

長谷川 英夫・ボイアルスキ ボリス HASEGAWA Hideo・BOIARSKII Boris

関連URL:
http://researchers.adm.niigata-u.ac.jp/html/100000201_ja.html

専門分野 農業環境工学、農業情報工学
キーワード ロシア極東、食用大豆、病害虫、種子貯蔵タンパク、深層施肥

研究の目的、概要、期待される効果

 ロシア極東は地理的にも日本に近く、わが国の食料安全保障に潜在的な能力を有しています。しかし、気候や病害虫に対する品種適性、栽培方法、収穫後処理、物流および港湾設備などで、北米、カナダおよび中国などの代表的な輸入大豆の水準に及ばない現状があります。
 本研究は、これまでに取組んだ農林水産省補助事業の知見に基づいて、1)大豆病害の発生調査と抵抗性の探索、2)ロシア大豆における炭素・窒素の集積調節機構の解明、3)大規模圃場に対応した高速深層施肥播種機の開発、 4) 極東地域における大豆生産の品質と生産性の分析を目的とした、ロシア科学アカデミー極東支部研究所との国際共同研究です。
 わが国の大豆の自給率(油糧用及び食用)は7%であり、安定した輸入が食料安全保障上重要です。本研究グループは、ロシア大豆の中に日本の食文化を彩る豆腐、味噌に好適と考えられる品種を見い出しました。本研究は、大豆の病害虫抵抗性の向上、深層施肥播種技術の適用によりロシア大豆の高収量化と高品質化とともに、わが国の食料安全保障に貢献します。高緯度地域にあるロシア極東の研究機関が保有する研究蓄積を導入することで、機能性に富むエダマメ、大豆の開発が期待されます。
 最新の研究から、アムール州において、大豆の収量と生産量の増加が確認できます。同地域はこれまでロシア連邦最大の生産量を誇りましたが、単収は約2トン/haに増加しています(右図)。優良種子、栽培管理技術、農業機械・施設への投資が背景にあります。日本の実需者が輸入大豆に求める成分等の品質向上も確認できました。 当該データは、将来的なロシア産大豆の日本への輸入を検討するうえで重要な判断材料となります。

   
関連する知的財産論文等

Takanori Fujii, Hideo Hasegawa, Takuji Ohyama and Valentina Sinegovskaya: Evaluation of Tillage Efficiency and Power Requirements for a Deep-Placement Fertilizer Applicator with Different Shaped Rotary Blades, Russian Agricultural Sciences, 41(6), 498-503, 2015

アピールポイント

 競争的研究資金を獲得してロシア連邦で国際共同研究を展開する本邦唯一の研究グループ。
 ロシア連邦の高度農業人材を育成する国費外国人留学生プログラムのコアメンバー。

つながりたい分野

・ロシアから農産物輸入を検討する商社
・ロシアへ農機・肥料輸出を検討する商社
・ロシア人高度人材の採用を検討する企業


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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