研究シーズ集

人文社会科学

読み書き困難を持つ子どもたちの学習の自立を目指して

教育学部

入山研究室

人文社会科学系 准教授

入山 満恵子 IRIYAMA Maiko

専門分野 言語発達学、言語発達障害学、特別支援教育
キーワード 読み書き障害、認知特性の偏り、コミュニケーション支援、ことばの遅れ

研究の目的、概要、期待される効果

 知的な能力は低くないのに読み書きが難しい「読み書き障害」をご存知でしょうか。近年、通常学級のなかでも「発達障害」を持つ可能性のある子どもたちの割合は8.8%と推計され、ひとクラスに何かしら支援を必要としている子どもたちが1,2人いてもおかしくないとされています。読み書き障害は発達障害の一つですが、認知特性の偏りがあるために、多数の方たちとは学び方が異なり、従来から学校で展開されてきた「みんなと一緒の方法」では学習困難に陥るリスクが高いのです。一方で、外からは非常にわかりにくいことなので、発見が遅れて学校で学習が躓いたまま苦しむ子どもたちは少なくありません。
 現在、教育の現場ではこうした子どもたちを早期に発見し、本人に合った学びの方法を考え提供することが求められており、最終的には子ども自身が自らの認知特性を理解して、学習の自立を目指すことが重要とされています。私はニーズのある子どもたちの特性を各種評価から掘り下げ、必要に応じた方法や支援を提供するとともに、将来教員を目指す学生たちにそうした方法を伝えながら、早期発見を目指す研究プロジェクトなどを進めています。また、読み書きだけでなく、言語やコミュニケーションを支援する効果的な方法についてもゼミの学生たちとともに取り組んでいます。

   
関連する知的財産論文等

「認知特性の偏りを包括した学童期英語指導の体系化に関する研究」(基盤研究(C)課題番号17K04926)

「ナラティブを用いた学習言語の評価と指導法の開発ー思考・学習のための言語習得に躓いている子どもの早期発見と支援のために」(第14回児童教育実践についての研究助成:公益財団法人博報児童教育振興会)

アピールポイント

 教育系の出身ではありますが、言語聴覚士として病院での臨床経験が長いので、医療・教育等にまたがった多機関の連携を目指しています。

つながりたい分野

・学校等の教育現場だけでなく、塾等でも認知特性の偏りがある子どもたちへの理解が広がることを期待しています。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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