研究シーズ集

医療・健康・福祉

ラジオミクスと機械学習を用いた強度変調放射線治療(IMRT)エラーの自動検出

医学部 保健学科

医学物理学研究室

医歯学系 准教授

宇都宮 悟 UTSUNOMIYA Satoru

関連URL:
https://www.clg.niigata-u.ac.jp/introduction/radiation_prof.html?prof_code=PRF0038

専門分野 医学物理学、放射線腫瘍学、放射線技術科学、医用画像工学
キーワード がん治療、強度変調放射線治療、機械学習、ラジオミクス、X線画像

研究の目的、概要、期待される効果

 がん治療の一つである放射線治療は近年急速な高精度化を遂げており、特に強度変調放射線治療(IMRT)と呼ばれる技術を用いるとターゲットとなる腫瘍への高い線量投与を実現しつつ、腫瘍周辺の正常な臓器への線量を低減することが可能となりました。しかし、IMRTは治療計画装置による高精度の線量計算精度や治療装置(リニアック)のマルチリーフコリメータの複雑な動き(機械的精度)などを前提としているため、治療の精度に影響を与えるようなエラーの発生が懸念されます。
 IMRTでは、治療の開始前に必ず患者への治療を模した状況で線量測定を行い(IMRT線量検証)投与線量の担保を行うこととされています。しかし、従来のIMRT線量検証法が十分高い精度でエラーを検出できるとは言い難く、いかにエラーを精度良くかつ効率良く検出するかが課題の一つとなっています。
 本研究では、医用画像から定量的な特徴を抽出する手法である「ラジオミクス」をX線平面検出器(EPID)を用いて撮影したIMRTのX線画像に適用し、得られたデータを用いて機械学習モデルを構築することで、IMRTエラーを高い精度で自動検出できるシステムの開発を目指しています。

IMRTの複雑なシステムとIMRT線量検証

ラジオミクスと機械学習を用いた強度変調放射線治療(IMRT)エラーの自動検出のアウトライン

   
関連する知的財産論文等

・Sakai M., Utsunomiya S et al. Detecting MLC modeling errors using radiomics-based machine learning in patient-specific QA with an EPID for intensity-modulated radiation therapy. Med Phys. 2021;48(3):991-1002.

アピールポイント

 画像解析や機械学習などの技術をがん医療に応用しようとする野心的な研究であり、がん医療の発展に寄与することが期待されています。

つながりたい分野

・機械学習や深層学習などの技術に精通した情報工学系・機械システム工学系の研究者の方々
・放射線治療に関心をお持ちの医療機器メーカーの方々


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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