研究シーズ集

医療・健康・福祉

予防接種教育の効果の検証

医学部 保健学科

齋藤研究室

医歯学系 准教授

齋藤 あや SAITOH Aya

専門分野 基礎看護学
キーワード 予防接種、予防医療、健康教育、患者教育、医療コミュニケーション

研究の目的、概要、期待される効果

 予防接種をする人が正しい情報を入手して意思決定できる環境の整備を目指しています。
 近年、日本の子どもたちの予防接種を取りまく環境が大きく変化しています。2008年以降、多くのワクチンが相次いで国内に導入され、乳幼児推奨のワクチンの種類と接種回数が大幅に増加しました。これにより、保護者に対して予防接種に関する多くの情報提供が必要となリましたが、現在の国内では、予防接種の情報提供は、各医療関係者に任されており、母親は異なる情報を異なる時期に受けています。そのため、意思決定できず接種タイミングが遅れると、最も必要な時期に免疫獲得ができず感染のリスクを上昇させてしまいます。同時に、推奨スケジュール通り接種することが複雑さを増し、一度の接種の遅れがその後の接種の遅れを助長させ、未接種やアウトブレイクのリスクを増大する可能性があります。保護者へは今まで以上に正確な情報提供や適切な接種への意思決定ができるような予防接種教育が必要と考えます。
 保健医療従事者間での予防接種の情報格差や認識の差なくし被接種者への不利益をなくす取り組みを目指しています。
 乳幼児の予防接種の情報提供機関(産科・小児科・保健所)、提供者(産科医・小児科医・内科医・助産師・保健師・看護師)は複数存在し、プロバイダー向けの系統的な予防接種教育がない中で所属機関や専門職間、立場の違いなどにより認識や情報量の違いがあります。実質、予防接種教育が各医療従事者の個人の裁量にゆだねられており、その結果、被接種者への情報格差が生じているのが現状です。予防接種に従事するすべての保健医療関係者が統一した認識を持ち、標準化した予防接種教育を実施可能にするためにも信頼性が高く、多職種間で共通して使用できる教育資料・教育プログラムの確立が必須であると考えています。

   
関連する知的財産論文等

Saitoh, Aya, et al. "Effect of stepwise perinatal immunization education: a cluster-randomized controlled trial." Vaccine 35.12 (2017): 1645-1651.

Saitoh, Aya, et al. "Perinatal immunization education improves immunization rates and knowledge: a randomized controlled trial." Preventive medicine 56.6 (2013): 398-405.

アピールポイント

 保健や医療の場でより良い意思決定ができるようにエビデンスに基づいた情報提供と、わかりやすい伝え方やシステム作りを検証しています。

つながりたい分野

・ICTを活用した健康教育に興味のある企業や自治体、予防接種行政に関連する自治体や団体、妊婦検診など実施している医療機関、予防接種の相談を受ける保育園、幼稚園など


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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