研究シーズ集

情報通信

太陽磁気対流の自動追跡アルゴリズム開発 ~太陽ダイナモ問題の解決を目指して~

工学部 知能情報システムプログラム

アストロインフォマティクス研究室

自然科学系 准教授

飯田 佑輔 IIDA Yusuke

関連URL:
https://researchers.adm.niigata-u.ac.jp/html/200001739_ja.html

専門分野 画像工学、データ科学、統計科学、太陽地球系物理学
キーワード ビッグデータ、画像認識、機械学習、宇宙天気予報

研究の目的、概要、期待される効果

 太陽活動源である磁場がどのように形成されているのか(太陽ダイナモ問題)の解明を目指しています。
 太陽ダイナモ問題は150年以上の天文学の問題であり、数値シミュレーションと物理学理論の面から精力的に研究されてきました。一方で、そこで提案された理論モデルの観測実証には、太陽表面で見られる微小な磁気塊や対流構造の大統計解析が必要があり、コンピュータによる自動認識・追跡が必要となります。しかし、これらの流体構造は、変形や衝突による合体・分裂・消滅などの相互作用を伴いながら時間発展するため、既存の物体追跡方法では困難です。
 本研究室では、そのような変形や相互作用を考慮した、効率的な物体追跡アルゴリズムを開発しています。 JAXAやNASAの科学衛星が取得・蓄積してきた観測ビッグデータと組み合わせ、これまでに提案されてきた理論モデルの初めての実証が期待されます。また大統計解析を通して、画素の1/100程度の高い精度での運動検出性能を達成しており、観測データからの理論モデル改良も期待されます。

科学衛星によって撮像された太陽表面の微小磁気塊

磁気塊の相互作用を考慮した自動追跡の概念図

   
関連する知的財産論文等

Y. Iida, H. Hagenaar, T. Yokoyama, “Detection of flux emergence, splitting, merging, and cancellation of network field. I Splitting and Merging”, The Astrophysical Journal, Vol.752, 149(pp. 1-9), Jun. 2012

アピールポイント

変形や相互作用を伴った構造の追跡を、少ない計算資源で行うことができます。また、高い追跡精度から、画素以下の運動情報を検出することなども可能です。

つながりたい分野

・画像データ、特にその時系列データからの高度な情報抽出を必要としている分野。
・画像等のビッグデータにおける新しい有効利用方法を模索している分野。


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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