研究シーズ集

ナノテクノロジー・材料

超音波法によるシリコンウェーハの原子空孔評価・制御の基盤技術開発

理学部 物理学プログラム

電子物性研究室(根本研究室)

自然科学系 准教授・自然科学系 助教

根本 祐一・赤津 光洋 NEMOTO Yuichi・AKATSU Mitsuhiro

関連URL:
https://www.sc.niigata-u.ac.jp/nemoto/index.html

専門分野 物性物理、低温物理、半導体物理、強相関電子系
キーワード 半導体シリコン、原子空孔、超音波、弾性定数、量子技術

研究の目的、概要、期待される効果

 現代の半導体デバイス製造には、ナノレベルサイズの微小欠陥であるボイドや酸素析出物などを高度に制御したシリコンウェーハが用いられています。これらの微小欠陥の形成にはウェーハ中にごく僅かに存在する「原子空孔」が影響を及ぼすことが分かっていますが、原子空孔の観測に基づいた欠陥評価は産業界では実現していません。
 超音波位相比較法では物質中に超音波を伝搬させ、その音速の変化を7桁の高分解能で測定することで物質の弾性定数を決定できます。原子空孔が存在すると、シリコンの弾性定数が低温で温度の逆数に比例して減少するソフト化が起きます。そのソフト化量は原子空孔濃度に比例して大きくなります。私たちは商業用途のシリコンウェーハ中に10^12~10^14 cm^-3ほどの希薄な濃度で存在する原子空孔の直接観測に世界で初めて成功しました。特に、ICT用に用いられるボロン添加シリコンでは研究が進んでおり、原子空孔濃度の定量評価が可能となっています。
 商業用途のシリコンウェーハ中に存在する原子空孔を観測・評価し、結晶育成やデバイス製造にフィードバックすることで、原子空孔や微小欠陥を制御した次世代ウェーハの開発や、半導体デバイスの特性向上に応用できると期待されます。

   
関連する知的財産論文等

T. Goto et al. J. Phys. Soc. Jpn. 75 (2006) 044602.

K. Mitsumoto et al. J. Phys. Soc. Jpn. 83 (2014) 034702. 他

特許第 5008423 号、5204415 号、5276347号、6291797 号 他

アピールポイント

 低温・強磁場・高圧下での精密実験が可能です。また、表面弾性波(SAW)デバイスを用いることでウェーハの表層領域を測定することもできます。

つながりたい分野

・シリコンウェーハメーカー
・半導体デバイスメーカー
・超音波計測や弾性定数等に興味のあるメーカー


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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