研究シーズ集

人文社会科学

立法裁量とその統制手法 ~ 違憲審査の充実と立法権・司法権の適切な関係 ~

法学部

山本真敬研究室

人文社会科学系 准教授

山本 真敬 YAMAMOTO Masahiro

関連URL:
https://researchmap.jp/ymmtmshr

専門分野 憲法学・公法学
キーワード 憲法学、違憲審査、立法裁量

研究の目的、概要、期待される効果

〇研究の目的
 みなさんも、憲法に反する法律を裁判所が違憲とするという違憲審査権について聞いたことがあるでしょう。違憲審査権の行使を通じて違憲な法律による権利侵害を防ぐこと(権利保障)は重要ですが、他方で法律は、主権者が選挙で国会議員を選び、その議員からなる国会によって制定されており(国民主権)、違憲審査権と国民主権とをうまく「バランス」させなければなりません(権力分立)。私の研究は、この「バランス」の取り方に関わります。立法者には、法律を制定する際に様々な選択の余地を憲法が許容する枠内で認められており(立法裁量)、その立法裁量を裁判所がどのように統制すべきかという点を明らかにすることで、立法権と司法権の適切な「バランス」を検討しようとするものです。
〇研究の概要
 近年、最高裁判所は、従来と比べて立法裁量を厳しく統制する傾向を見せています。そこで、一方では、そのような判決を分析・検討することで最高裁の判例理論の問題点を把握し、他方では、海外(主にドイツ)の判例・学説や、隣接領域(行政法)の判例・学説を分析・検討し、立法裁量の統制の望ましいあり方を研究しています。
〇期待される効果
 まだまだ道のりは長いですが、裁判所が違憲審査権を積極的に行使し、これまで以上に違憲な法律による権利侵害を充分に防ぐようになると同時に、国会の権限をも適切に尊重することを通じて、立法権と司法権のより良い関係を示すことができたらと考えています。

   
関連する知的財産論文等

山本真敬『立法裁量と過程の統制』(尚学社、2022)

同「憲法判断を含む判決の類型」山本龍彦・横大道聡編『憲法学の現在地』(日本評論社、2020)402頁以下

同「投票価値較差訴訟の諸論点」法律時報91巻5号(2019)13頁以下

斎藤一久・堀口悟郎編『図録日本国憲法〔第2版〕』(弘文堂、2021)(分担執筆)など。

アピールポイント

 「地味」な研究ではありますが、違憲審査を考える際に常に問題となるテーマを扱っています。海外や隣接領域の事例をも踏まえた「終わりなき旅」をこれからも続けていきます。

つながりたい分野

・何らかの法的仕組みを設計したり、その仕組みの下で一定の政策を行ったりするときに、憲法上の価値をどのように考慮すべきかを検討することが必要な方々


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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