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人文学部 心理・人間学プログラム
心理学研究室
専門分野 | 実験心理学、応用心理学 |
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キーワード | 視覚、錯覚・錯視、情報提示、安全・安心、ヒューマンエラー |
本研究では、安全・安心なモノ作りや広告・告知等に、ヒトの知覚認知特性(「脳の定石」)を活かすことで、ヒトにやさしい、魅力あるモノ作りを提供していくことを目指し、その基礎となる錯覚・錯視現象に関わるヒトの知覚認知メカニズムの解明を進めています。
具体的には、時間的に見えない情報(ヒトの時間処理の限界を超えたリフレッシュレートで提示された情報)により、動いている物体の位置がずれて知覚される錯視現象を、最大5000 Hzのリフレッシュレートを持つDLP高速プロジェクタを用いて検討しました [1]。また、空間的に見えない情報(正方形の頂点が隠された図形)を脳が補完することによって生じる錯視を発見しました[2]。
こうした「見えない情報」をヒトの脳が補って知覚認知することを考慮すると、例えば、何らかの情報の提示を顧客や施設利用者等に行なう際、一部が隠れている画像の方がかえって意図が伝わるといったことが期待されます。また、見えない時間情報の提示を応用すると、ヒトに煩わしさを感じさせることなく注意喚起を行なうといった用途への利用が期待できます。
DLP高速プロジェクタと提示映像の時間密度の模式図
隠れた部分の補完が関与する錯視の例
関連する知的財産論文等 | [1] Nakajima & Sakaguchi. (2016). Perceptual shrinkage of a one-way motion path with high-speed motion. Scientific Reports, 6, 30592. [2] Nakajima, Kakuda, & Satoh. (2019). Illusory Oscillation of the Central Rotation Axis. i-perception, 10(4), 1–17. ※第8回 錯視・錯聴コンテスト入賞 |
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「脳の定石」を活かすことから、定石を適用したモノ(製品、道具、注意喚起、広告など)とインタラクションをする際に、違和感を抑制し、自然に適応できるものと考えます。
・ヒューマンエラー、消費者購買行動等の課題に対し、ヒトの知覚認知特性を積極的に活用したいと考えている企業、自治体など。