研究シーズ集

農・食・バイオ

イネの成長を促進させるきのこ菌床由来の成分の利用

農学部 応用生命科学プログラム

生物化学研究室

自然科学系 教授

伊藤 紀美子 ITOH, Kimiko

関連URL:
https://www.agr.niigata-u.ac.jp/teachers/257

専門分野 植物分子生物学、応用糖質科学
キーワード 農食バイオ、きのこ菌床、揮発性成分、植物成長促進作用

研究の目的、概要、期待される効果

 近年、細菌や真菌が発生する揮発成分が植物のバイオマス増大を強化させる事が知られるようになってきました。このような成分は新たなバイオスティミュラント資源として非常に有望と思われます。また我々の観察では、ストレス耐性を付与することも明らかになってきています。
 しかしながら、細菌や真菌の大量増殖系の確立、また利用する細菌や真菌が土壌や作物、取り扱う人に及ぼす影響を考えたときに、新たな菌を用いてゼロから増殖系を確立し、これらの影響を検証していくことは非常にハードルが高いと言えます。
 一方で、食品生産に利用されているきのこ菌床は確立した菌の増殖系である上に、揮発成分も豊富であり、非常に優れたバイオスティミュラント素材になり得るのではないかと考えました。  
 そこで、市販のえのき・しいたけ菌床を用いてイネの幼苗を非接触共存培養したところ、主に地上部において乾燥重量の増大が観察されました。(図1)今後、様々なきのこ菌床を用いて実験を進めるとともに、廃菌床についてもその効果を検討したいと考えています。
 新潟県ではきのこ栽培が盛んであり、もし廃菌床が利用できるならば、バイオスティミュラント源として非常に有望ではないでしょうか。

図1 えのき・しいたけ菌床由来の揮発成分による
イネのバイオマス増大

図2 揮発成分によるイネの成長促進の様子
左からしいたけ、えのき、対照区

   
関連する知的財産論文等

https://researchmap.jp/IK003289

アピールポイント

 イネを対象に様々な分子生物学的研究を行っています。

つながりたい分野

・きのこ研究者・生産企業・生産者
・将来的にはイネや他の作物栽培をされている農家様


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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