研究シーズ集

医療・健康・福祉

薬剤関連顎骨壊死のメカニズムを大局的に解明する ~骨細胞ネットワークに着目して~

歯学部

組織再建口腔外科学分野

医歯学系 助教

齋藤 直朗 SAITO Naoaki

専門分野 口腔外科学、薬剤関連顎骨壊死、骨代謝
キーワード 薬剤関連顎骨壊死、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、骨細胞ネットワーク

研究の目的、概要、期待される効果

 薬剤関連顎骨壊死は2003年に初めて報告され、その後さまざまな研究が行われていますが、依然として病気の発生メカニズムが十分に解明されていない疾患です。骨粗鬆症やがんの骨転移抑制に用いられる薬剤が要因と考えられていますが、各薬剤が作用するメカニズムは異なります。にもかかわらず、同様の顎骨壊死が生じるということは、骨代謝全体のバランスが病気の発症と関係しているものと考えられます。
 私たちの研究では、実験的に薬剤関連顎骨壊死を生じさせたラットを用いて、その成り立ちについて研究しています。骨の中では様々な細胞が連携し、互いに影響を受けあって骨の代謝が成り立っています(右図)。特に近年の研究から、骨細胞という骨に埋め込まれた細胞がその司令塔として機能していることがわかってきており、この骨細胞を中心とした骨代謝ネットワークに病気の発症メカニズム解明の鍵があるものと考えています。
 薬剤関連顎骨壊死は歯科のみならず、医科でも大きな問題となっている疾患です。原因薬剤から得られる骨折予防効果、骨転移抑制効果といった恩恵が非常に大きいことから、今後も臨床上の大きな問題となっていくものと思われます。本研究から顎骨壊死のような重篤な副作用のない薬剤開発の基盤となる発見ができればと考えています。

図:骨代謝に関わる細胞群

   
関連する知的財産論文等

https://researchmap.jp/nao-saito31/

科学研究費(若手研究) 「薬剤関連顎骨壊死のメカニズムを大局的に解明する -骨細胞ネットワークに着目して-」

アピールポイント

 疾患の予防や治療法開発のみならず、今後の骨粗鬆症薬等の開発基盤になることが期待されます。

つながりたい分野

・骨代謝に関心のある医薬品系企業 等


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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