研究シーズ集

医療・健康・福祉

入浴習慣が自然免疫応答へ与える影響 ~ 温熱刺激と健康を免疫で考える ~

医学部 保健学科

富山研究室

医歯学系 准教授

富山 智香子 TOMIYAMA Chikako

関連URL:
https://www.clg.niigata-u.ac.jp/introduction/inspection_prof.html?prof_code=PRF0052

専門分野 免疫学、肝臓免疫学、健康科学
キーワード 温熱刺激、自然免疫、免疫担当細胞、自律神経、健康

研究の目的、概要、期待される効果

 健康で暮らしていくための生活習慣の1つとして入浴があります。日本は湯に浸かるという独自の入浴習慣があり、自宅の浴槽はもちろん、銭湯、温泉などを様々な施設を利用して入浴しています。また最近では世界の入浴方法の1つであるサウナも「サウナ―」、「整う」という言葉とともにその効果も注目されています。これら入浴は、体を清潔に保つことに加えて温熱刺激による疲労回復効果、リラックス効果等あると言われていますが、その健康効果についての科学的根拠は出始めたばかりです。また、入浴は生活習慣でもあることから、温熱刺激による健康効果を考える上で長期的な効果の検証も必要と考えます。当研究室では温熱刺激による健康効果について免疫学的に検証を行ってきています。
 これまで、1週間連続の温熱刺激は、病原菌を最前線で攻撃する自然免疫担当細胞である好中球数の増加とNK細胞機能を増強したこと(図1)、また、リラックス効果もあることを報告しています(図2)。
 現在、更なる長期的な温熱刺激の健康効果の免疫学的検証と実験動物を用いて基礎的知見を得るべく研究を進めています。今後は、温熱刺激の他、従来からいわれている健康を保持する事象や物質を使用した際の生体への効果について免疫学的観点から検証していきたいと思います。

図1 温熱刺激による免疫担当細胞数と機能の変化
(赤矢印が数の増加、機能の増強を示す)

図2 血中カテコラミンとコルチゾールの変化
(赤矢印がリラックス効果を示す)

(図1, 2ともTomiyama C, et al (2015) Biomed Res (Tokyo)
より一部改変)

   
関連する知的財産論文等

・Tomiyama C, Watanabe M, Honma T, Inada A, Hayakawa T, Ryufuku M, Abo T. The effect of repetitive mild hyperthermia on body temperature, the autonomic nervous system, and innate and adaptive immunity. (2015) Biomed Res (Tokyo), 36 :135-142.

アピールポイント

健康を免疫応答の観点から検証する基礎的研究を行っています。温熱刺激の他、健康を保持する事象および物質などの効果を免疫学的観点から実験動物を用いた実験で検証していきたいと考えています。

つながりたい分野

・温泉、サウナなど温熱刺激に関連する産業界
・保健機能食品等に関連する産業界   
                   など


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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