研究シーズ集

医療・健康・福祉

歯周病による関節リウマチ発症・悪化機序の解明

歯学部

歯科総合診療部

医歯学総合病院 准教授

小林 哲夫 KOBAYASHI Tetsuo

関連URL:
https://niigata-perio.jp/

専門分野 歯周病学、歯周治療学、免疫学
キーワード 歯周病、関節リウマチ、自己免疫、サイトカイン、医科歯科連携

研究の目的、概要、期待される効果

 歯垢の細菌数は体内最多で、同細菌感染による炎症性疾患が歯周病です。歯周病は、高い罹患率から国民病とも言われ、全身の健康にも悪影響を及ぼします。近年では、代表的な自己免疫疾患である関節リウマチと双方向性の関連にあることが考えられています(図1)。
 私どもは、本学腎・膠原病内科学分野ならびに新潟県立リウマチセンターとの共同研究によって、2疾患のリスク遺伝子、遺伝子epigenetic修飾と翻訳後修飾発現の共通性・類似性、歯周病治療による関節リウマチ改善を明らかにしました。また、サイトカイン阻害生物学的製剤は歯周病にも改善効果があり、その関節リウマチ改善効果は歯周病と代表的歯周病原菌Porphyromonas gingivalisにより抑制されることも報告しました(図2)。 
 本研究では、これまでの研究結果を基にして、2疾患に共通する自己免疫関連マーカーに着目し、歯周病による関節リウマチ発症・悪化機序の解明を目指しています。同機序の解明により、歯科における関節リウマチ予防システム開発が期待され、その基盤的研究を展開したいと考えています。

図1:歯周病と関節リウマチの関連

図2:生物学的製剤による関節リウマチ・歯周病の改善と歯周病・歯周病原菌感染によるリウマチ改善効果抑制

   
関連する知的財産論文等

1. Kobayashi T, et al. Host responses in the link between periodontitis and rheumatoid arthritis. Curr Oral Health Rep. 2(1): 1-8, 2015.

2. Kobayashi T, et al. Serum immunoglobulin G levels to Porphyromonas gingivalis peptidylarginine deiminase affect clinical response to biological disease-modifying antirheumatic drug in rheumatoid arthritis. PLoS One. 11(4):e0154182, 2016.

3. Kobayashi T, et al. The KCNQ1 gene polymorphism as a shared genetic risk for rheumatoid arthritis and chronic periodontitis in Japanese adults: A pilot case-control study. J Periodontol. 89(3): 315-324, 2018.

アピールポイント

 医科歯科連携の発展に加えて、歯周組織への翻訳後修飾抑制剤の応用など医薬品関連領域の融合も期待されます。

つながりたい分野

・自己免疫疾患新規医療に興味がある企業
・自己免疫応答に関する基礎研究分野


お問い合わせは
新潟大学社会連携推進機構
ワンストップカウンター まで 
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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