新潟大学 社会連携推進機構

医療・健康・福祉
2025.04.10

非定型大腿骨骨折の頻度とリスク因子の研究

~骨組織学的検討も含めて~
医学部 腎・膠原病内科学分野/整形外科学分野
佐藤 弘恵
SATO Hiroe
保健管理センター 准教授
近藤 直樹
KONDO Naoki
医歯学総合病院 病院准教授
専門分野
骨粗鬆症、膠原病リウマチ、整形外科
キーワード
非定型大腿骨骨折、膠原病、関節リウマチ、ビスホスホネート製剤、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症
関連URL
新潟大学腎・膠原病内科 新潟大学大学院医歯学総合研究科機能再建医学講座整形外科学分野

研究の目的、概要、期待される効果

膠原病は免疫の異常により自己の組織や臓器が障害される疾患で、治療にはグルココルチコイドなどの免疫抑制薬が用いられることが多いです。グルココルチコイドは疾患のコントロールに有用な薬剤ですが、副作用として骨粗鬆症を生じるため、その予防と対策のためにビスホスホネート製剤などの骨粗鬆症治療薬が用いられます。一方で、長期的なビスホスホネート製剤の使用が骨粗鬆症性骨折とは異なる非定型大腿骨骨折を生じることが課題となっています。
 我々のグループは、長期的にグルココルチコイドとビスホスホネート製剤を併用している患者で非定型大腿骨骨折と、その前兆となる外側骨皮質の肥厚の発生頻度が高いことを明らかにしてきました。また、ビスホスホネート製剤の休薬により外側骨皮質の肥厚が改善することも報告しました。
 ビスホスホネート製剤は骨ミネラルに沈着して休薬後も数年間は効果が持続する特徴があることから、休薬による効果が期待されます。しかし、グルココルチコイドに伴う骨粗鬆症における安全性は明らかではないことから、検証を進めています。さらに、骨形成促進薬などの新しい骨粗鬆症治療薬が外側骨皮質の肥厚を改善できるかどうかも検討を進めています。

関連する知的財産論文等

  • ・Sato H, Kondo N, et al. JBMR Plus 2024; 8: ziae090
  • ・Sato H, Kondo N, et al. Mod Rheumatol. 2023; 33: 803-810
  • ・Sato H, Kondo N, et al. J Bone Miner Meta 2021; 39: 952-961

アピールポイント

膠原病リウマチ患者さんを多く診療しているからこそできる研究で、これまで論文の実績が多数あります。機序の解明につながる骨形態計測による骨組織の詳細な検討も可能です。

つながりたい分野

  • ・骨代謝を踏まえた骨粗鬆症治療薬の効果と副作用について、臨床的なデータに基づいて明らかにしたい分野など

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