
医療・健康・福祉
2025.04.24
知的障害者のための口腔保健支援プログラムの開発
~ 障害理解を促進し健康を支える ~
歯学部 口腔生命福祉学科
口腔保健学分野

柴田 佐都子
SHIBATA Satoko
医歯学系 准教授
研究の目的、概要、期待される効果
知的障害者の口腔内状態は健常者に比較して、未処置歯数、一人平均喪失歯数、処置歯数の割合が高いという報告が複数あります。また、受診率を健常者と障害者で比較すると、一般診療の受診率は同程度(それぞれ、約80%)ですが、歯科受診率は健常者(約15%)に比べ障害者(約9%)は低いことが報告されています。
また、知的障害者は実行機能(目的に向けて意識的に自己の思考や行動を制御する力)の弱さが指摘され、そのことは活動の継続や、生活習慣を築くことの困難につながります。
それらを踏まえ、知的障害者の歯科保健行動を変容するために、保健・医療・福祉などの様々な専門職による連携を通して適切な支援を提供することができれば、障害者の包括的ケアシステムの構築、口腔機能および健康の維持・向上に貢献することが期待できます。
現在、通所型障害者福祉施設や特別支援教育の専門家との連携を通して、施設通所者を対象に、リスク発見・行動変容支援型の歯科保健プログラムを応用した障害者の口腔保健支援プログラムを開発するための取り組みを行っています。
多くの専門職との協同によって障害者の健康に寄与したいと考えております。
関連する知的財産論文等
- ・牧口由依、柴田佐都子、Roxana Stegaroiu、大内章嗣、通所型障害者福祉施設における口腔の健康維持に向けた取り組み状況に関する実態調査、日本歯科衛生学会雑誌14(1):117、2019.
アピールポイント
歯科専門職だけでなく特別支援教育職の知見を取り入れ、知的障害者の口腔機能を支える
口腔保健支援プログラムと多職種連携による
ケアシステムの開発を目指しています。
つながりたい分野
- ・保健、医療、福祉、教育などの領域において地域で活動されている専門職
- ・障害者の歯科保健、健康、QOLの向上を考えている自治体、学校および施設など
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp