新潟大学 社会連携推進機構

医療・健康・福祉
2025.04.24

介護食の世界に革命を

~ 「食べる」を知って「食べる」を支える ~
歯学部 摂食嚥下リハビリテーション学分野
井上 誠
井上 誠
INOUE Makoto
医歯学系 教授
専門分野
嚥下障害学、口腔生理学、神経生理学、食品工学、介護食開発
キーワード
高齢者、摂食嚥下障害、咀嚼介護食
関連URL
http://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~dysphagia/index.html http://www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/kaigo.html

研究の目的、概要、期待される効果

 農林水産省では、「食べる」ことが衰えた人向けに、介護食の新たな名称を「スマイルケア食」と名づけて、その市場拡大を図ろうとしています(図1)。スマイルケア食では、食品アイテム決定に際して、食品物性を安全性の基準にあげています。ここでは、飲み込みやすいものを食べやすいもの=安全に食べられるものと定義しています。しかし、それで本当にいいのでしょうか。 
 食べるには「飲み込む」ものだけでなく「噛む」ことも大変重要です。私たちが、新潟大学医歯学総合病院の患者様や「噛む」と「飲み込む」の関係を調べた研究を通して分かったこと、それは咀嚼(そしゃく)することこそ飲み込みを助けるために必須で重要な運動であるということです。
 私たちはこれまで、新潟県内の多くの食品企業様と間で「食べる」ことを知るための共同研究、新たな食品開発につながる共同研究を行い、その成果を発表してきました(下記論文リストは一例です)(図2)。健康な私たちなら何気なく食べてしまうものが、患者様や高齢者にとってどれだけ重要であるかを一緒に調べてみませんか。

関連する知的財産論文等

  • 1. Sirima Kulvanich et al. Gerontology, 2021 Jan 15;1-9. doi: 10.1159/000511912
  • 2. Eri Takei et al. Physiology & Behavior. 2020 Jul 25;225:113102. doi: 10.1016/j.physbeh.2020.113102.
  • 3. Iguchi H et al, Physiol Behav. 2015 Dec 1;152(Pt A):217-24. doi: 10.1016/j.physbeh

アピールポイント

食品開発にあたり、基礎から臨床へとつなげる研究ステップを有しています。学内には共同研究推進のための食品ラボを設定しています。

つながりたい分野

  • ・介護食や食器具の開発を目指すすべての企業
  • ・既存の食品の検証を希望する関連企業

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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