
医療・健康・福祉
2025.04.24
スマホの写真から判定!舌の汚れと乾燥!
〜 画像認識による舌苔と舌湿潤度の評価 〜
歯学部
包括歯科補綴学分野

大川 純平
OKAWA Jumpei
医歯学系 助教

堀 一浩
HORI Kazuhiro
医歯学系 教授
- 専門分野
- 歯科補綴学、顎口腔機能学、高齢者歯科学、臨床医工学
- キーワード
- IoT、舌苔、舌湿潤度、口腔機能低下症、画像認識
研究の目的、概要、期待される効果
スマートフォンで撮影されたお口の写真から、舌の範囲を自動識別し、舌の汚れや乾燥の強さを測定するシステムを構築しています。
世界的な高齢社会を迎えた現代では、健康長寿の延伸が注目されています。しかし、お口の働きが弱くなった状態である「口腔機能低下症」は、食欲や食事量の低下を招き、要介護の原因となりうる低栄養やサルコペニア(筋肉の減少)に連鎖します。舌に付いた汚れ(舌苔)や舌の乾燥(舌湿潤度)は、口腔機能低下症の検査にも用いられ、また誤嚥性肺炎や口臭にも関連しています。しかし、その検査には専門的な知識や装置が必要です。そこで、人工知能(AI)による画像認識技術を用いて検査できないかと考えました。
私たちは、AIに必要な学習ネットワークを構築し、お口の写真から舌の範囲を検出でき、舌苔および舌湿潤度を評価するシステムを検証してきました。スマートフォンのようなモバイル機器を用いて「誰でも・どこでも・簡単に」舌の評価が可能となるように研究を続ける予定です。また、舌の特徴を数値化することができるため、AIをアップデートすることで、様々な舌の状態を評価できるよう開発を進めていきます。
関連する知的財産論文等
- ・舌状態推定装置、舌状態推定方法及びプログラム(特願2021-159436) 小野高裕、堀一浩、大川純平
- ・Jumpei Okawa, Kazuhiro Hori,et al. : Developing tongue coating status assessment using image recognition with deep learning, Journal of Prosthodontic Research, 2023
アピールポイント
モバイル機器により撮影された画像から、舌の範囲を自動識別し、舌の様々な特徴を数値化が可能です。学習ネットワークのアップデートにより、縦断的かつ最新の評価を提供できます。
つながりたい分野
- ・口腔管理を要する高齢者介護サービス分野
- ・オーラルケア・ヘルスケア関連企業
- ・アプリケーション開発や医療機器開発を行い、実用化を目指す企業
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp