医療・健康・福祉
2025.04.25
認知症に対応し在宅医療を支援する誤嚥性肺炎リスクを判定する簡易迅速診断法の開発
歯学部
う蝕学分野

竹中 彰治
TAKENAKA Shoji
医歯学系 准教授
- 専門分野
- 歯科保存学、口腔バイオフィルム
- キーワード
- 地域包括ケア、高齢者、在宅看護、リスクアセスメント、誤嚥性肺炎
研究の目的、概要、期待される効果
地域包括ケアシステムの推進により、在宅高齢者のリスクアセスメントがますます重要になっています。訪問看護の課題の1つは、いかに早く病気発症のリスクを見抜いていくかですが、在宅に持ち込める測定器が限られるため、これまでは経験の中で見抜くしかなく、熟練度により“身体変化の気づき”に差が生じていました。さらに、認知症や意思疎通が困難な高齢者からは、体調変化の聞き取りができません。
高齢者の誤嚥性肺炎は、感染初期に発熱や頻脈などの典型的な症状が現れにくく、“何となく元気がない”、“食欲がない”、“ぼーっとしていることが多い”等の非典型的な症状を示します。そこで、在宅で特殊な機器を必要とせずに、患者の協力度に左右されない誤嚥性肺炎のリスクを判定可能な科学的評価システムの開発を目的として、医科、歯科、看護、工学の専門家による他職種連携チームにより研究を行なっています。
これまでに、指尖の微量の血液から判定可能なCRP迅速診断カセットを開発しました。現在、口腔細菌の抗体価を測定する研究が進行中です。総白血球数と白血球5分類は乾電池で駆動する機器を用いて測定しています。
関連する知的財産論文等
- ・科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)研究成果報告書
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21702/
アピールポイント
これらの製品開発は、医師不足地域での遠隔診断や災害時の臨床現場即時検査(POCT)への対応を視野に入れています。
つながりたい分野
- ・地域包括ケアシステムの充実に向けて、高齢者向けヘルスケアビジネスを展開する企業
- ・在宅看護を支援する自治体、企業
- ・臨床現場即時検査(POCT)を開発している企業
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

