
医療・健康・福祉
2025.04.25
糖尿病患者に対する口臭予防の可能性
歯学部
予防歯科学分野

高 昇将
TAKA Norimasa
医歯学系 助教

永島 和裕
NAGASHIMA Kazuhiro
医歯学系 大学院生
小川 祐司
OGAWA Hiroshi
医歯学系 教授
濃野 要
NOHNO Kaname
医歯学系 教授
- 専門分野
- 予防歯科学
- キーワード
- 口臭予防、アセトン、糖尿病、糖質制限ダイエット
研究の目的、概要、期待される効果
平成28年度国民健康・栄養調査によると、我が国の糖尿病患者数は予備軍を含め約2000万人に上ります。これらの糖尿病患者では、呼気中に特異臭を発するアセトンが含まれ、QOLを低下させる1つの要因となります。加えて若年層に多い糖質制限ダイエットでも同様の特異臭が問題になります。しかしながら、呼気アセトンに対する口臭予防策は少ないのが現状です。
そこで私たちは、口臭の原因物質に対する消臭効果を持つといわれる、砂糖の1種であるシクロデキストリン(CD)や活性炭(AC)に注目し、これらをアセトンの消臭にも応用できないかと考えました。これまでに、基礎研究においてCDやACを用いてアセトンに対する一定の消臭効果を確認しました(図1)。
現在、これら物質を安定して、長時間口の中で作用させるための剤型(保湿剤やオブラートなど)や口腔外で口臭を予防する方法(マスクなど)様々な剤型を探しています。また、ACは口腔内で使用する場合に色の問題があり、その色を抑える方法も探しています。
今後は、これら2つの物質に限らず、そのほかの消臭物質も検討していきます。この研究から、糖尿病やダイエットによる口臭に悩む方々に予防方法を提供したいと考えています。
アピールポイント
従来の口臭予防と異なりアセトンを対象とした点に独創性があります。また、口腔情報から糖尿病等、全身状態の推測が可能となることが期待されます。
つながりたい分野
- ・対象成分を様々な形態に包含する技術のある分野との協働を期待しています。
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp