研究シーズ集

農・食・バイオ

植物の光環境応答の分子遺伝学的研究

理学部 生物学プログラム 

植物分子遺伝学研究室

自然科学系 教授

酒井 達也 SAKAI, Tatsuya

関連URL:
https://seesaawiki.jp/w/tsakai1969/

専門分野 植物分子遺伝学、光環境応答、光受容体、植物生理学、シグナル伝達
キーワード 青色光受容体、フォトトロピン、オーキシン、突然変異体、遺伝子組み換え植物

研究の目的、概要、期待される効果

 光屈性の分子機構を明らかにするため、シロイヌナズナ光屈性異常突然変異体 phot1 の分子遺伝学的解析を行いました。詳細な表現型観察を発端に、光屈性に働くもう一つの光受容体 phot2 を発見し、phot1 と phot2 の光強度依存的な機能分担様式を明らかにしました。phot2 突然変異体の表現型観察より、phot2 が葉緑体光定位運動の強光反応誘導にも働く青色光受容体であることを発見しました。光屈性異常突然変異体 RPT2 の分子遺伝学的解析を行い、RPT2 は phot1 活性の抑制によって光屈性応答における光順応に働くことを明らかにしました。光屈性に必須のシグナル伝達因子 NPH3 のリン酸化部位の同定及び機能解析を行い、NPH3 リン酸化が phot1シグナル伝達の光順応に働くことを明らかにしました。オーキシン不均等勾配形成に働く PIN オーキシン輸送体の光屈性における機能を解析しました。PINはどれも確かに胚軸光屈性に働くこと、ただし連続光誘導の光屈性においては PIN 非依存的な光屈性誘導機構が存在することを発見しました。また根の負の光屈性においては、オーキシン不均等勾配そのものが観察されず、むしろオーキシンが負に働くことが示されました。これらの研究によって、植物における光環境情報の認識および成長制御機構の解明を目指しています。

   
関連する知的財産論文等

Taro Kimura et al. (2021) Plant Physiology 187, 981-995.

Taro Kimura et al. (2020) Plant Cell 32, 2004-2019.

Ken Haga et al. (2015) Plant Cell 27, 1098-1112

アピールポイント

 植物の機能と遺伝子の関係を明らかにする研究手法論を得意としています。また遺伝子組み換え実験による逆遺伝学的解析を頻繁に行なっています。

つながりたい分野

・遺伝子改変植物作成及び表現型解析
・光受容体解析


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新潟大学社会連携推進機構
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onestop@adm.niigata-u.ac.jp

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