新潟大学 社会連携推進機構

医療・健康・福祉
2025.04.21

デンタルバイオフィルムを理解し、全身の健康を守る

歯学部 う蝕学分野
野杁 由一郎
野杁 由一郎
NOIRI Yuichiro
医歯学系 教授
専門分野
歯科保存学、う蝕学、歯内療法学
キーワード
デンタルバイオフィルム、細菌叢、う蝕予防、全身疾患、口腔ケア
関連URL
https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~restend/restend.html

研究の目的、概要、期待される効果

 口に形成される細菌集団(細菌塊)が口腔バイオフィルムであり、歯に形成される細菌集団がデンタルバイオフィルム(DB,旧称:歯垢/デンタルプラーク)です。今では、う蝕や歯周病のくちの2大疾患に限らず、全ての感染症の概ね80%程度は、バイオフィルム感染症である事が認知されました。一般社会だけでなく、医学界においてもバイオフィルムは脚光を浴びつつあります。
 一方、 DBは右上のような特異性を有しており、制御/コントロールするのが厄介な代物です。我々は、歯科口腔領域に留まらず、全身の健康を守る為、 DBの制御を念頭に置いた様々な活動を行ってきました。DBは、口腔正常細菌叢であれば、全身にも悪影響は出ませんが、病原性細菌叢に変るとくち及び全身に、悪影響を及ぼすため、DBには量の制御と質の制御(口腔ケア)が必要です。
 医学、環境・応用微生物学、工学、農学、植物学、生活科学等多領域のバイオフィルムに連関する方々と、くちと全身の健康について考えていきたいと思います。

関連する知的財産論文等

  • ・S. Takenaka, Y. Noiri et al., Aqntibiotics. 2022, 11, 727. doi: 10.3390/antibiotics11060727.
  • ・S. Takenaka, Y. Noiri et al., Int J Environ Public Health. 2022,19, 6048. doi: 10.3390/ijerph19106048.
  • ・M. Sotozono, Y. Noiri et al., Scientific Reports 2021, 11, 138. doi: 10.1038/s41598-020-80541-5
  • ・R. Nagata, Y. Noiri et al., Pathogens 2021, 10,10. doi: 10.3390/pathogens10010010

アピールポイント

・新潟大学医歯学総合病院歯科におけるう蝕予防管理の治療システム (2022年8月~運用開始)のHP
https://www.nuh.Niigata-u.ac.jp/news/achives/20220728
・2024年度本テーマにより、株式会社ニッシン社と共同研究締結実績あり

つながりたい分野

  • ・地域医療や口と全身の健康の向上をめざし連携事業を希望するの自治体、学校、団体
  • ・要介護者、易感染性宿主でも対応可能な抗バイオフィルム用品・薬剤の開発をめざすすべての企業

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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