
医療・健康・福祉
2025.05.07
精神障がい当事者の参画によるリカバリーモデルに基づく地域ケアシステムの開発
医学部 保健学科
成田研究室

成田 太一
NARITA Taichi
医歯学系 准教授
- 専門分野
- 公衆衛生看護学、地域看護学、精神保健
- キーワード
- リカバリー、精神障がい、地域生活、ケアシステム
研究の目的、概要、期待される効果
精神障がい者の地域移行が促進されるなか、特に長期入院を経験した精神障がい者は、入院によるつながりの喪失を経験し、退院後しても地域の中で孤独を感じやすい状況にあります。
精神障がい者の地域での生活を支援する上で、当事者の人生の希望や目標を重視する「リカバリー」が中心的な概念となっています。「リカバリー」とは、当事者がたとえ症状や障がいが続く中でも人生の希望や目標を見出し充実した人生を生きていく主体的なプロセスです(Anthony,1993)。
精神障がい者が地域でリカバリーを進めながら、その人らしく暮らしていくためには、当事者主体のケアシステムを構築していくことが重要です(図1)。
本研究は、精神がいをもつ当事者等の参画による地域ケアシステムの開発を目的としています。地域の実態に合わせたケアシステムを開発することで、将来的なケアシステムの実装、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築につながると考えています(図2)。
関連する知的財産論文等
- ・成田太一,小林恵子:長期入院を経験しデイケアを利用する男性統合失調症者の地域における生活の再構築―喪失と孤独の中でのつながりの醸成―.日本看護科学会誌,40:205–213, 2020.
- ・成田太一,小林恵子:地域で生活する統合失調症患者のリカバリーの概念分析. 日本地域看護学会誌,20(3):35-44, 2017.
- ・Taichi Narita, Keiko Kobayashi: Community Living Conditions of People Living with Schizophrenia in Japan:
Focusing on the Background of the Continuance of Community Life. International Medical Journal,24(6), 442-446. 2017.
アピールポイント
インタビュー等により精神障がい当事者や家族の生活実態や想いを聴きながら、「その人らしい暮らし」を実現する地域ケアシステムについて探究しています。
つながりたい分野
- ・「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」構築に取り組む自治体
- ・当事者グループ、ピアサポートグループ
- ・精神科医療機関、障害福祉施設 等
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp