新潟大学 社会連携推進機構

人文社会科学
2025.05.15

観客が集まる理由、観客を集める工夫

~ 図像資料を活用した伝統芸能の研究 ~
人文学部 社会文化学プログラム 芸能論研究室
中本 真人
中本 真人
NAKAMOTO Masato
人文社会科学系 准教授
専門分野
芸能論、日本芸能史、日本音楽史、日本歌謡文学
キーワード
地域創生、伝統芸能、古典芸能、芸能の継承、神楽
関連URL
https://ameblo.jp/nakamoto-geino/

研究の目的、概要、期待される効果

 主たる研究課題は、宮廷の御神楽を中心とする古代中世芸能史の研究です。すべての芸能は、形に残りません。特に録音・録画技術の普及する以前の芸能は、視覚的な再現が極めて困難です。そのような過去の芸能について、古記録や有職故実書、さらに図像資料を活用しながら、具体的に把握しようと試みています。また近年は、民俗芸能、年中行事、歌謡、説話、和歌、地域学なども広く視野に収めて研究しています。
 芸能、エンターテイメントは、舞台上にいる演者だけでは成立しません。芸能を受け取る側、つまり観客が不可欠です。演者は、観客の数、関心、反応を肌で感じながら、その要求に応えられるようにパフォーマンスを繰り広げます。しかし従来の研究は演者が中心で、観客に対する関心は強くありませんでした。
 芸能研究は、過去の営みを明らかにすると同時に、現在の諸課題に対する示唆も与えてくれます。近年、地域の芸能は過疎化、少子高齢化などによって、多くが危機に瀕しています。演者の減少以上に深刻なのは、実は観客の減少ではないでしょうか。なぜ観客は集まるのか、どうすれば観客を呼べるのかという課題に、過去の文献や絵画などを活用しながら考えていきます。 

関連する知的財産論文等

  • ・中本真人(2016)『宮廷の御神楽―王朝びとの芸能―』新典社新書
  • ・中本真人(2020)『内侍所御神楽と歌謡』武蔵野書院
  • ・中本真人(2021)『なぜ神楽は応仁の乱を乗り越えられたのか』新典社選書

アピールポイント

現代の地域をめぐる諸課題は、すぐに解決策が見つかるとは限りません。先人の努力や過去の経験に学びながら、現代に生かせる方策や工夫を一緒に考えていきましょう。

つながりたい分野

  • ・地域に伝わる芸能を生かしたい自治体、観光協会、伝承保存会
  • ・集客力をアップさせたい劇場、イベント運営会社

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