新潟大学 社会連携推進機構

製造技術
2025.05.15

マイクロ触覚センサチップによる触感の可視化

~ その触り心地、数値で表現してみませんか? ~
工学部 機械システム工学プログラム マイクロマシン工学研究室
寒川 雅之
寒川 雅之
SOHGAWA Masayuki
自然科学系 准教授
専門分野
センサ・マイクロマシン
キーワード
MEMS、触覚センサ、触感数値化、接触・光・温度複合計測、ロボットの把持制御、触感提示
関連URL
http://mems.eng.niigata-u.ac.jp/

研究の目的、概要、期待される効果

 製品の触り心地や触診、道具の把持具合など、人間は触覚を通じて触った物の感覚を得ています。触覚は皮膚の変形や振動、温度変化でもたらされる複雑な感覚であり、視覚や聴覚のように確立したセンシング技術はまだありません。
 私たちは、MEMS技術を用いたマイクロ触覚センサチップの研究開発を行っています。5 mm角のチップ上に大きさ0.03~0.3 mm程度の複数の微小構造を作製し、それらを皮膚を模した柔軟なエラストマーに埋め込んでいます。このチップひとつで、接触時の荷重や滑りに加え、光検知による近接覚や温度検知に冷温感の計測ができます。超小型・軽量なので、指先や工具に設置することも可能です。また、本センサと組み合わせて摩擦・振動や温冷、硬軟などの触感を提示するための複合触覚提示デバイスをMEMS技術により小型・低電圧での実現を目指して研究を進めています。これらを用いて触覚をデータ化・再現することにより、下記のような応用が期待されます。
・農作物や生体などのやわらかいものを器用に持つための把持制御・遠隔での把持感覚提示
・人の皮膚の変形計測や触診のデータ化
・熟練工の手によるワザの数値化
・布や樹脂、金属などの表面の触り心地の良しあしを定量的に評価し、再生する

関連する知的財産論文等

  • ・物体表面の質感計測装置およびそれを用いた紙葉類判別装置(特許第5807463号)
  • ・MEMSセンサ(特許第6160917号)
  • ・岡固、月山、安部、野間、寒川: 電気学会論文誌E, Vol.144, No.9, pp. 247-251 (2024).

アピールポイント

センサの大きさや形状などの設計は用途に応じてさまざまに対応可能です。ある程度までの試作は研究室の設備で可能ですので、安価に研究開発を行うことができます。

つながりたい分野

  • ・加工製造業でやわらかいものの把持や人の手の感覚をデータ化したい分野
  • ・医療福祉関係で皮膚への接触に関連する分野
  • ・衣服や化粧品などの触感が重要な分野

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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