新潟大学 社会連携推進機構

ナノテクノロジー・材料
2025.05.15

複合材料を駆使した界面制御技術の創成

~ ユニバーサルに機能する半導体表面保護材料 ~
工学部 電子情報通信プログラム 機能性材料・デバイス研究室
後藤 和泰
後藤 和泰
GOTOH Kazuhiro
自然科学系 准教授
専門分野
電子・電気材料工学、ナノ材料工学、薄膜・表面界面物性、複合材料・表界面工学
キーワード
半導体、異種材料接合、複合膜、パッシベーション、太陽電池
関連URL
https://www.eng.niigata-u.ac.jp/~masuda-lab/

研究の目的、概要、期待される効果

 本研究の目的は、様々な材料に対してユニバーサルに機能する導電性保護膜を創出し、新規材料の半導体への実装を促進することです。 
 シリコンを代表とする半導体を用いた電子デバイスの多くは、異なる材料を組み合わせた多数の界面で構成されています。そのため,材料と材料の界面,特に半導体表面の性質がデバイスの性質を支配的に決めてしまうため,半導体表面を保護する目的でパッシベーション膜の導入が必要となります。パッシベーション膜の機能の一つは、半導体表面に存在する欠陥の密度を低減することです。このようなパッシベーション膜は基本的に電気的に絶縁性を示す誘電体となります。そのため、半導体からキャリアを引き抜く必要があるような太陽電池においては、導電性能と表面保護性能の二律背反が存在します。この二律背反を克服するべく複合膜中にナノ結晶を複合化し、ナノ結晶をキャリアの輸送経路として利用する構造を開発してきました。
 このナノ結晶を複合化した保護膜は、導電性保護膜として機能することが期待でき、様々な材料を半導体と組み合わせて応用する際に、半導体表面は保護しつつ新規材料と半導体との電気的なやり取りを可能とします。

関連する知的財産論文等

  • ・R. Tsubata et al., ”Silicon Nanocrystals Embedded in Nanolayered Silicon Oxide for Crystalline Silicon Solar Cells” ACS Appl. Nano Mater. 5, pp. 1820–1827 (2022).

アピールポイント

これまでシリコンとの相性が悪く半導体への実装を断念した材料や、これからシリコンへ実装を検討している材料を電子デバイスと組み合わせるために有用な技術です。

つながりたい分野

  • ・電子デバイスに対する新素材、評価手法の研究を推進する分野
  • ・新規材料の半導体への実装を検討している研究者の方、企業様

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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